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先進都市ベルリンで見た、急成長する欧州“MaaS事情”

11/11(月) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 日本でも参入が増えているMaaSだが、欧米では一歩先を行く形で様々なサービスやビジネスがすでに始まっている。その方向はどこへ向かっているのか。ベルリンで開催されたモビリティをテーマにしたイベント「Shift Automotive」の発表から分析する。(ライター 野々下裕子)

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 ICTを活用して“マイカー以外の移動”を1つのサービスとしてシームレスにつなぐ「MaaS(Mobility as a Service)」が日本でも話題になっている。欧米ではすでに数多くのMaaSが登場しており、環境やエネルギー問題を解決するスマートシティ構想とも連動をはじめ、市場規模は2050年に900兆円に達すると予測されている。

 9月にドイツ・ベルリンで開催された、未来のモビリティ(The Future of Mobility)をテーマにしたトークカンファレンス「Shift Automotive」(以下、Shift)では、MaaSに関わる企業やスタートアップ、研究組織、自治体といった幅広いジャンルから30人近いスピーカーが登壇し、最新サービスや技術、そして未来に向けたビジョンを数多く発表した。

 MaaSは私たちの社会にどのような変化をもたらすのか。数あるトークから注目すべき発表をピックアップし、今後のMaaSの方向性を探ってみる。

● ベンツが採用、“単語3つ”で住所を表示するスタートアップ

 スペイン・バルセロナを拠点にするスタートアップ「IOMOB」は、オープンソースとブロックチェーンの融合によるMaaSのためのマーケットプレイスを開発している。様々な移動手段をインターネットでつなぐMaaSはいわば「IoT(Internet of Things)」ならぬ「IoM = Internet of Mobility」であり、創業者のBoyd Cohen氏は「早さや安さだけでなく快適さや確実さといったニーズに応じた適切な方法が提案できる、コンシェルジュのようなシステムを目指す」と言い、10月からベータテストに取り組んでいる。

 イギリス・ロンドンのスタートアップ「what3words」は、GPSのような地理座標の表示を3つの単語で3メートルの精度で表示できるシステムを開発している。駐車場のどこにクルマを停めたか自然言語を使って正確に表示でき、各国語に対応している。音声認識も容易で、メルセデスベンツのナビに採用されたことで話題になった。

● 「公共交通×シェアリング」で都市生活を変革するベルリン

 ベルリン市交通局(BVG)は、運営する公共交通とその競合ともいえる様々なシェアリングサービスを1つのアプリで一括利用できる「Jelbi」サービスを始めた。一度の登録でバスや鉄道といった公共交通と、電動キックボードなどのシェアリングサービスについてまとめて支払いができる便利さに加え、リアルタイムの交通状況や天候にあわせて最適な移動方法を検索できる機能を提供し、都市全体の付加価値を高めることを狙いにしている。

 さらにそのベルリンでは、過密化する都市から郊外へ生活環境を拡げるスマートシティ・プロジェクト「Future Living Berlin」を進めており、そこではMaaSの運用が市民サービスの中でも大きく位置付けられている。運営はベルリン政府の組織「Berlin Partner」が中心だが、不動産や建築、エネルギー、エレクトロニクス分野から複数の企業がパートナーとして参加しており、2020年1月から入居が始まる予定だ。

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最終更新:11/11(月) 10:35
ダイヤモンド・オンライン

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