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パフォーマンスに注力する、インフルエンサーマーケの現状 :「いまなおワイルドウエストだ」

11/12(火) 9:01配信

DIGIDAY[日本版]

ブランドン・ビリンガー氏は、空き時間を利用して、子育てブログ「ルーキーダッド(The Rookie Dad)」を運営している。何百万人というフォロワーがいるわけではない。インスタグラム(Instagram)に1300人ちょっといるだけだ。しかし同氏は、チャーブロイル(Char-Broil)やデイブ・フォー・メン(Dove for Men)、Facebookといったブランドと仕事をしてきた。フォロワー数1万人以下のビリンガー氏は、いわゆる「ナノインフルエンサー」のひとりだ。コラボレーションするインフルエンサーの選択に対して、より微妙なアプローチをブランド各社が取りつつあるいま、インフルエンサーマーケティングの変化から恩恵を受けているのが、ナノインフルエンサーなのだ。

「もはやフォロワー数がすべてではなくなっている」と、ビリンガー氏は語る。「ブランド各社はいまも、『いいね!』をいくつ獲得しているかといった、お決まりの指標に目を向けてはいる。しかし、私が見てきた限りでは、フォロワーが何人いるかということは、もうそれほど気にしていないようだ」。

単にフォロワー数をアピールすれば、インフルエンサーがマーケティング契約を獲得できる時代は過ぎ去った。インフルエンサーマーケティングの効果に対する透明性の向上を求めるマーケターたちは、より多くの指標を用いて、より真剣にインフルエンサーを品定めするようになっている。

インフルエンサーたちは何年ものあいだ、フォロワー数をアピールすれば、ブランドとの契約を獲得できた。その一方で、マーケターたちは成否のトラッキングに苦戦していた。インフルエンサーのフォロワーが投稿に反応したかどうかはわかったが、アフィリエイトマーケティング契約を除けば、どのインフルエンサーが売上の向上に貢献したのかを明らかにするのは難しかった。そしていま、マーケターたちはインフルエンサーマーケティング戦略に対する、より洗練されたアプローチを求めるようになっている。単に一番人気を選ぶという時代の先に進もうとしているのだ。企業とエージェンシー、インフルエンサーはいま、支払い率を決定するためのさまざまな指標(エンゲージメント率や販売数といったパフォーマンスベースの指標はもちろん、投稿に注がれた労力のレベルや、コンテンツの質など)を検討している。

何年も前からインフルエンサーマーケティングに投資してきたマーケター、とくにD2C(Direct to Consumer:直販)ブランドにとっては、そうするのがすでに当たり前になっているかもしれない。しかし、大手消費財ブランドなど、購入経路のトラッキングに苦戦している一部のレガシー企業にとっては、フォロワー数や投稿数を単に考慮することからの脱却は、過去2年間ではじめてのことだった。エージェンシー関係者らによれば、こうした変化はまだ世界標準ではないものの、誰と協働し、どのように報酬を支払えばいいのかを判断すべく、より多くの指標に目を向けるようになっているという風潮は、一般的になりつつあるという。

インフルエンサーエージェンシー、ビレッジマーケティング(Village Marketing)の創業者であるビッキー・シーガー氏は、これに先立つのが、いまなおインフルエンサーに一番人気のアプリだというインスタグラムの、フィード投稿を上回るインスタグラムストーリーズ(Instagram Stories)の台頭だと述べる。およそ10億人がインスタグラムを毎月利用し、5億人がインスタグラムストーリーズを毎日利用している。「インスタグラムストーリーズには、フィードよりもはるかに高いトラッカビリティ(追跡可能性)がある。理由は単純だ。ストーリーズなら、リンクを貼っておけば、閲覧者にスワイプアップしてもらえるからだ」と、シーガー氏は話す。企業各社はこのところ、トラッキングとコンバージョンデータを重視するようになっているという。「クライアントに対しては、我々は現在、取り組みにおけるインスタグラムでの比率を、90%をストーリーズ、5~10%をフィードにしている。購入に関しては、すべてストーリーズに移動させている」。

インフルエンサー契約の選別に用いられる正確な指標は、エージェンシー、インフルエンサー、そして企業によって異なる。とはいえ一般的にいって、フォロワー数と投稿数は、かつてほど上位を占めているわけではない。マーケターは、タレントエージェンシーを介してインフルエンサーと話し合い、投稿ごとのレートについて交渉する一方で、インフルエンサーが注ぐ労力のレベルや、制作するコンテンツのタイプを考慮に入れている。また、エンゲージメント率やCPE(1エンゲージメントあたりのコスト)、一般的にアフィリエイトプログラムを通じて追跡される売上やアクションをインフルエンサーのコンテンツが促進しているかどうかに目を向けるマーケターもいるかもしれない。

「『あのインフルエンサーはフォロワーが50万人いるし、コンテンツも素晴らしい』だけでは、我々は満足しない」と、シーガー氏は語る。「2年前のインフルエンサーマーケティングならそうだったかもしれないが、いまはもう違う。『50万人いるフォロワーのうち、10万人にインスタグラムストーリーズを見てもらいたい。スワイプアップ数やステッカーのタップ数を追跡するし、私のブランドに関するコンバージョン数も追跡する』。これがいまのインフルエンサーマーケティングだ」。

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最終更新:11/12(火) 9:01
DIGIDAY[日本版]

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