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緊張感漲る実際の精神科病棟の中で――映画「閉鎖病棟―それぞれの朝―」 平山秀幸監督インタビュー 全2回【前編】

11/12(火) 18:00配信

キネマ旬報WEB

死刑執行が失敗して生きながらえている男
幻聴に苦しむ元サラリーマン
DVを受ける女子高生……
精神科病棟を舞台に、居場所をなくした人々が、
出会い、癒され、自らの人生へ旅立っていく人間ドラマを
やさしく描き出す渾身の一作
作品が生まれるまでの様々なエピソードを平山秀幸監督に語っていただいた。(全2回【前編】)

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8年越しの企画は鶴瓶さんの主演で動き出した

――「閉鎖病棟―それぞれの朝―」は、帚木蓬生氏のベストセラー小説の映画化で、信州の精神科病棟を舞台に患者さんたちの人間模様を描いた作品です。死刑囚でありながら刑の執行に失敗し病院に送られてきた秀丸さんを笑福亭鶴瓶さんが演じ、それに綾野剛さん扮するチュウさん、小松菜奈さん扮する由紀など、同じ病院の患者たちが多彩に絡みます。平山監督の映画作品としては、前作の「エヴェレスト 神々の山嶺」が2016年3月公開でしたから、本作まで3年半の歳月が経過しています。はじめにこの間の動きを教えてください。

平山 無職ですよ(笑)。映画の企画も進めたのですが、ご存じのように必ずしもうまく転がる世界ではないということで、結局テレビ(WOWOW連続ドラマW『ヒトヤノトゲ 獄の棘』2017)と舞台(『やんごとなき二人』2017)を1本ずつやっただけという感じですね。

――この作品の脚本を書かれた時期は?
平山 8年くらい前でしょうか。ある方からいくつか勧められた帚木さんの本の中にこの小説があったんです。震災のあった2011年頃に、映画化するという見込みが何もないままに、自分がやりたいことの一つみたいなことでスタートしました。

――ご自分の監督作品の脚本を執筆されるのは初めてですね。
平山 外から「こういう作品どうですか」と依頼がきた場合は、プロデューサーもまじえてシナリオライターは誰がいいだろうかといろいろ協議できますが、でも、今回に関しては自分がやりたいという気持だけで企画として成立していない段階なので、宿題でもやるように自ら少しずつ書いていきました。

――それで、東映というメジャーな映画会社で製作されるに至った要因は?
平山 やはり鶴瓶さんでしょうね。3年くらい前からこの映画実現のため一緒にやってきた三宅(はるえ)プロデューサーが僕のホン(脚本)を読んだところ、鶴瓶さんの名前が出ました。早速手紙を添えて、オファーしました。それでもスケジュールの問題などで3年くらいかかりました。それが実現のスタートです。鶴瓶さんに主役の秀丸さんを受けていただいたところから具体化していったということです。

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最終更新:11/12(火) 18:00
キネマ旬報WEB

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