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「アイデンティティ」を前に手が止まる日本人 自分が何者かを知るための第一歩とは?

11/12(火) 17:57配信

ニューズウィーク日本版

アメリカの大学受験で日本人学生の前に立ちはだかる壁

<海外で育つ日本人の子どもの多くは、特定文化に属せない自分をネガティブに捉えてしまうケースが多い。自分のアイデンティティに迷った時は、時代を少しだけ巻き戻してみるといい。ルーツを探ることで「自分も違って当たり前」そう思えてくる>

アメリカでは日本よりも一足早く、大学受験シーズンを迎えています。アメリカの大学受験プロセスは長く、10月末~12月末にかけて出願を行い、合否発表は翌年の3月末から4月初旬です。なぜそんなに長い時間がかかるのかといえば、アメリカの大学入試は、AO方式(アドミッションオフィス方式)で合否を決定するからです。

SATやACTと呼ばれる全米学力テストの点数、高校時代の学業成績、スポーツや音楽の活動実績、ボランティアやインターンなどの社会経験、先生の推薦状、そしてエッセイを総合的に評価して合否を決定します。人気がある大学には5万人以上の受験生が殺到しますから、当然、審査に多くの時間を要するわけです。

テストの点数で合否決定するアジア諸国の大学入試とは比較にならないほど手間と時間のかかる大学入試システムなのです。

さて、AO方式の是非は横におき、日本人学生(米国在住)がアメリカの大学受験をするとき、大きな壁として立ちはだかるのがエッセイです。

エッセイは大学進学を希望する若者が18年間生きてきた道のりの集大成であり、自分という人間を大学側に知ってもらう(売り込む)ツールです。多様性を重視するアメリカの大学は、エッセイによって受験生のアイデンティティ、才能、人間性、将来の可能性を見極めているのです。

大学受験エッセイは自由作文でなく、与えられた課題について書くのが一般的です。たとえば全米800以上の大学で導入されている「カマンアプリケーション」のエッセイ課題の一つは「自分のバックグランド、アイデンティティ、興味、才能について詳しく説明する必要があると感じる人は、自分のストーリーをエッセイで共有してください」というものです。

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最終更新:11/12(火) 20:13
ニューズウィーク日本版

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