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ヨーロッパで進む「一帯一路」宇宙版│シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(7)

11/12(火) 15:02配信

nippon.com

青木 節子

中国の“宇宙戦略”はヨーロッパでも進んでいる。フランス、ドイツ、英国など欧州主要国がそろって中国と宇宙で協力関係を結んでいるのだ。そんな中、米国の衛星に対するサイバー攻撃が、ノルウェー領の島にある、中国の衛星にもサービスを行っていた地上局から行われたと疑われる事案が発生している。

欧州主要国に食い込む中国

中国が地上と海上で「一帯一路」構想を進め、欧州大陸やインド洋深くに影響を拡大しようとしているのは、よく知られたところです。その宇宙版があります。通信、リモートセンシング、測位航法衛星群、地上施設の機能を統合し、これを「宇宙情報コリドー(回廊)」と呼んだうえ、拡大しようとするプラン。第13次宇宙5カ年計画(2016~20年)で、重点事項になりました。

前回までの記述から、やり方は既におわかりでしょう。中国製衛星を、継続して使ってもらう、運用を担う地上局の、建設と運用を肩代わりする、そこを拠点に、宇宙状況監視の世界的ネットワークをつくる――などの道筋が、すでに見えています。あわせて、地上と衛星を結ぶデータ送受信機器のプロトコル(基準)でも、中国はあわよくば世界標準を握りたいと考えていることでしょう。

そんな計画が誰の目にも明らかとなっていた2018年1月、フランスのマクロン大統領は中国を訪れます。その際、フランスの衛星通信企業ユーテルサット社が、中国政府系企業チャイナ・ユニコム社と文書を交わし、「一帯一路」に関わる協力をする意思を明らかにしました。

中国と欧州連合(EU)の測位航法衛星システム(「北斗」と「ガリレオ」)が、周波数を共用することも、つとに2015年、合意をみています。先立つ2014年、ドイツは中国と、宇宙の平和利用8分野の協力了解覚書を締結しており、独中間では、有人宇宙プログラムでの協力も進んでいる。

イタリア・中国間の協力協定締結は、2016年。これに基づき、ロケット打ち上げを共同して担う合弁企業が生まれる予定です。ことほど左様、欧州の有力国で、中国と宇宙協力計画をもたない国を探すほうが、いまや難しくなりました。

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最終更新:11/12(火) 15:02
nippon.com

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