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藤沢駅前の再開発で50年続く「立ちそばの名店」はどうなる?――自家製コロッケそばの味を守れるか

11/12(火) 11:00配信

文春オンライン

 藤沢駅の改札を出ると、すぐ目の前に南北に貫通する地下通路がある。

 昭和40(1965)年以前、ここには開かずの踏切があって社会問題になっていた。地下通路ができて、南北の往来が楽になり、市民から便利になったと大変喜ばれたそうだ。

【写真】藤沢駅「新月」コロッケそばの写真を見る(全15枚)

 その4年後の昭和44(1969)年、この地下通路の一角に、立ち食いそば屋「新月」が開業した。自分が中学生だった昭和47~49年頃、「新月」に行ってそばを食べていた記憶がある。大変懐かしい店である。

 3年ぶりに「新月」を訪問してみた。

 南口から地下通路に入る。そのまま少し進んで通路を右に曲がると、すし屋などがある名店街があり、その奥の場所で「新月」は元気に営業していた。

 今の店舗は富士ビルの地下の名店街にあるのだが、以前はその先のビックカメラ(元は丸井)の入っているビルの地下通路で営業していた。非常に狭いカウンターだけの店であった。

土曜の午前から賑やかな雰囲気

 今の店は椅子席もあり、だいぶ広くなった。

 入口には紺色の暖簾、そして、移転する前の店からのものだと思うが、「自家製麺 立喰いそば 新月」と屋号の看板が輝いていた。

 訪問したのは11月に入った最初の土曜の午前11時過ぎだったが、学生さんや常連のお客さんが来店していて、人気なことがうかがえる。

「新月」は女将さんと息子さんと従業員の方で切り盛りしている。

 女将さんは以前、移転する前の元丸井近くの狭い店で働いていたそうで、平成16(2004)年に先代社長から店を引き継いで、今に至っているという。

「新月」といえば「コロッケそば」

 店の入り口にずらっとお品書きが書かれている。冷やしのメニューもたくさんあり、目移りするのだが、「新月」に来ると頼むのは「コロッケそば」である。

 大宮駅東口のすずらん通りにある「つくば本店」同様、コロッケは自家製でイモがゴロっとしていて、ずしりと重い。柳家喬太郎師匠にも是非食べてもらいたい一品である。

「新月」はそばもうどんも自家製麺している。つゆもコロッケも自家製、手作りである。天ぷらそば用の天ぷらは仕入れているそうだが、日替わりの天ぷらは自家製でそれを楽しみに来店するお客さんも多いという。

 つゆはきりっとした返しの利いたタイプで出汁が香る。そばは平打ちの自家製麺で、この平打ち麺が「新月」の代名詞だ。

 つゆと平打ちのそばとコロッケの味がバランスよく三位一体となって、旨さを伝えてくる。

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最終更新:11/22(金) 17:15
文春オンライン

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