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「好きすぎて気象庁を辞めました」日本でただ一人“蜃気楼だけを追いかける”33歳男性の話

2019/11/12(火) 17:00配信

文春オンライン

佐藤さんが来てから発生回数が2倍以上に

――佐藤さんについて教えてくれた方が「佐藤さんが赴任してから、飛躍的に蜃気楼の観測回数が倍増した」ともおっしゃっていました。本当ですか?

佐藤 確かに「佐藤のせいで蜃気楼がたくさん出るようになった」とか言われることは多いですね。「観測回数を増やしたでしょ?」とも聞かれるんですが、そんなことはまったくなくて……。

 僕が来るまではベテランの学芸員の方が25年間ずっと観測をされてきたんですが、引き継ぎをした最初の1年間は、観測の方法が変わってデータの条件が変わってしまわないように何度も何度も協議を重ねて慎重に観測していたんです。

――それでも増えたことは増えているわけですよね。

佐藤 2017年が20回で、僕が来た2018年は42回だったので2倍以上増えていますね(笑)。今年もすでに34回観測しています(11月11日時点)。でもこれはちゃんと理由があって、昨年は特に風向きだったり、気温が蜃気楼の出やすい気象条件に合っていることが多かった。

全国で増え続ける“蜃気楼ウォッチャー”

――ちなみに観測は佐藤さんが双眼鏡か何かでずっと観察しているんですか?

佐藤 さすがに付きっきりで観測しているわけにもいかないので、3か所に設置したカメラの映像で観測しています。

 ただ、この映像はYouTubeでもリアルタイムで流していて( 魚津市役所公式チャンネル「富山方面・しんきろうカメラ」 )、ずっと見ている方もいらっしゃるんです。僕がちょっと見逃していると「あれは蜃気楼じゃないんですか?!」とコメントが入ったり。

――全国に“蜃気楼ウォッチャー”が……。

佐藤 そうなんです。観測回数が増えた理由のもう1つに、魚津内外で蜃気楼を観ている“蜃気楼ウォッチャー”が増えたこともあったりします。魚津の方でも博物館に電話で「いま蜃気楼出てるけど大丈夫!?」と知らせてくださる。それで慌てて外に観測に出かけることもしばしばあります。バタバタですね(笑)。

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最終更新:2019/11/14(木) 12:24
文春オンライン

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