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「ヒカキンがアリババで中国製品を宣伝する日」 1日4.2兆円「独身の日」現地で見えた未来

11/12(火) 17:00配信

文春オンライン

「これはもう数字の暴力だ……」 思わずこんな言葉が私の口から漏れてきた。

 世界最大のネットショッピングセールをご存知だろうか。それが中国の「双十一」(ダブルイレブン=11月11日)だ。日本では「独身の日」と聞くとピンと来る人も多いだろう。

【写真】過去最高4.2兆円「独身の日」の現地写真を見る(全11枚)

 中国EC(電子商取引)最大手のアリババグループが仕掛ける“ショッピングフェスティバル”である。上海市で開催された前夜祭は中国全土に中継されたが、中国の芸能人だけではなく、ポップ界のスター、テイラー・スウィフトまで登場するなど、大変な盛り上がりを見せている。まさに祭り、なのだ。

1日の取引額は4.2兆円、前年比8500億円増

 筆者はこの盛り上がりを取材するため、浙江省杭州市のアリババグループ本社を訪問した。11月11日0時からの24時間の祭りを体験した上での最大の感想が、冒頭の「数字の暴力」である。私の気分を味わってもらうため、皆さんにも今年の「数字の暴力」をシェアしたい。

・セール参加者は5億人。前年から1億人の増加。

・取引額は2684億元(約4兆1800億円)。前年から549億元(約8500億円)の増加。

・商品を配送する宅配便は12億9200万件に。前年比で2億5000万件の増加。

・世界78の国と地域から2万2000ものブランドが参加。

・セールにあわせて100万種類もの新商品が登場。

・売り上げ1億元(15億円)を超えたブランドは299に。

・中国外のユーザーも祭りに参加。100機を超える“チャーター便”がセール品を海外に輸送。

……といった具合に、いちいちすごい数字が突きつけられる。筆者は2回目のダブルイレブン取材だったが、シャワーのように浴びせられる数字の数々にはもう呆然とするしかない。ともかく圧倒的な物量なのだ。

「ARコスメ」と「ライブコマース」に乗り遅れるな

 ただし、ポイントは数字だけではない。ダブルイレブンは新たなビジネスモデルや技術が登場するお披露目の場でもある。「ダブルイレブンで未来が予見できる」とはアリババグループ系のフィンテック企業アントフィナンシャルの蒋国飛副総裁の言葉。このお祭りで登場した、尖った技術がしばらくして普及するという意味だ。

 今年の目玉技術の一つとされているのが「ARコスメ」。口紅などの化粧品をAR技術でお試しできるという代物だ。筆者もトライしてみたが、かなり自然に化粧が試せる印象だ。実は似たような製品を前にも試したことがある。それは2017年のダブルイレブンの時だった。ただし、2年前はスマホではなくお店に備え付けられた専用の機械を使っていた。専用機が必要だった技術がたった2年間でスマホの中に格納されたというわけだ。しかもARの精度や効果が現れるまでの速度も大きく向上している。

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最終更新:11/12(火) 17:00
文春オンライン

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