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生活はどんどん快適になるが…「情報収拾される日常」の実態

11/12(火) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

機械が現実世界の情報を大量に収集し、インターネット空間に「現実世界の再現」を試みる…。それはSFの話ではなく、いまわれわれの前で起こっています。ネット空間ではあらゆるシミュレーションが行われ、そこから編み出された「予想」と「対策」は、ビジネスに膨大なメリットをもたらす可能性を秘めているのです。本記事では、一般社団法人エネルギー情報センター理事の江田健二氏の著書『エネルギーデジタル化の最前線2020』(エネルギーフォーラム)より一部を抜粋し、エネルギービジネスのさらなる可能性について言及します。

注目のビジネスキーワード「デジタルツイン」とは?

最近のビジネスキーワードのひとつ「デジタルツイン」。「ツイン」とは「双子」の意味だ。そのため、「デジタルな双子」と訳されることが多い。「デジタルツイン」とは、センサーやIoT機器、カメラなどで現実世界の情報を大量に収集し、現実世界と同じ状況をインターネット空間に再現することを指す造語だ。

再現されたインターネット空間で、さまざまなシミュレーションを行うことができる。そこから得られた結果を参考に、現実世界のビジネスや生活に役立てていく。例えば、ある新製品を設計する場合、将来起こり得る故障は気がかりだ。

「デジタルツイン」の環境で、使い続けて数年後に起こりやすい故障を予測し、事前に設計に反映することができる。別の例では、街の交通情報や天候情報から週末の渋滞エリアを予測し、3パターンの対応方法の中で、どれが一番有効であるかをパソコン画面で事前に検討できる。これまでであれば、「起こってからしかわからなかったこと」が事前に予測でき、対策が取れる。

ハリウッドの大スターであるトム・クルーズが主演し、2002年に放映され大ヒットした映画『マイノリティレポート』。何度かテレビで再放送されているので、ご覧になられた読者の皆様も多いだろう。映画では2054年の世界が描かれている。自動運転の車、完全オートメーションの工場、瞳でのドアの開閉認証、人を乗せて空を飛ぶドローンなどのシーンが印象的だ。主人公は、犯罪予防局に勤務している。犯罪を未然に防ぐための組織だ。

さまざまなテクノロジーによって、未来に発生する殺人犯罪が予測され、犯行の発生前に犯罪予備群(犯罪を起こす予定だった人)を逮捕するのがミッションだ。私たちが迎える未来は、この映画に似ていく。人々は、「再現された世界」の未来の出来事を信用し、「現実世界」を変えていく。いつのまにか「現実世界」よりもインターネット上に「再現された世界」のほうを重要視するようになる。

「現実世界」で起こった結果から情報を集めて人が何か判断するだけでなく、「再現された世界」から機械が常に人の行動を予測し、先周りする時代になる。私たちは、好むとも好まざるとも機械に将来を予測される「予測の時代」を生きることになる。

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最終更新:11/12(火) 8:00
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