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IQよりも将来への影響が大きい…「非認知スキル」とは何か?

11/12(火) 10:01配信

現代ビジネス

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本日から発売の森口佑介氏著『自分をコントロールする力:非認知スキルの心理学』(講談社現代新書)。本日はその「はじめに」を特別公開。現在大注目、将来の成功や健康を左右する「非認知スキル」のエッセンスとは? ----------

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虹を見たかったら……

 「虹を見たかったら、雨をがまんしなくちゃね」(ドリー・パートン)

 私たちが大きな目標を達成するためには、さまざまな困難や誘惑を乗り越えなくてはなりません。決して容易なことではありませんが、その障害が大きければ大きいほど、雨が激しければ激しいほど、その後に見られる虹は美しいでしょう。

 志望校に合格するために、ゲームをがまんして勉強に励む受験生。スポーツで勝利を掴むために、あらゆる誘惑に抵抗して研鑽を積むアスリート。会社を興すために、プライベートの時間を犠牲にして仕事に打ち込む起業家。そのあり方はさまざまですが、自分を律し、未来を信じ、目標に向かう人の姿は尊いものです。

 虹と雨の取り合わせは、その美しさのせいでしょう、さまざまな著名人が同じような言葉を残しています。

 たとえば、ジャズ歌手であるノラ・ジョーンズ氏は、ドリー・パートン氏の言葉とほぼ同じタイトルの曲(If You Want The Rainbow(You Must Have The Rain))を発表していますし、作家のジョン・グリーン氏原作の映画『きっと、星のせいじゃない』のなかでも同じような表現が使われています。

 彼女らのような成功者にとって、将来の目標のために、目の前の困難や誘惑を乗り越える力は、必須なのでしょう。

「非認知スキル」とは?

 このような目標のために自分をコントロールする力は、いわゆる「頭の良さ」とは違ったタイプの能力です。

 頭の良さとは、どれだけ知識を持っているのか、どれだけ速く問題を解けるのか、与えられた情報からどれだけ推測することができるのか、などを指します。このような頭の良さは、専門的には「認知的スキル」と呼ばれます。知能指数(IQ)は、認知的スキルの典型的な例です。

 一方、目標のために自分をコントロールする力は、頭の良さとは直接的に関係しません。認知的スキルとは異なる能力という意味で、「非認知スキル」と呼ばれます。「社会情緒的スキル」とも言います。

 非認知スキルには、自分をコントロールする力の他に、忍耐力、自信、真面目さ、社交性など、さまざまなスキルを含みます。

 数年前から、わが国においても、非認知スキルが子どもの将来にとって重要だと紹介する書籍やウェブコンテンツが増えてきました。

 しかしながら、それらの多くは、子どもの研究をしたこともない方々による、一部の研究成果に基づいた表層的な(時には誤った)知識によって書かれています。

 実際のところ、非認知スキルのなかには、 IQなどと異なり、測定することすらできないものも多数含まれています。つまり、非認知スキルが大事だと言ったところで、それは絵にかいたモチであったり、科学的な研究に裏付けられているとは限らなかったりするのです。

 そのなかで、本書では、非認知スキルのなかで、結局のところどのスキルが子どもの将来にとって大事なのかという疑問に答えたいと思います。

 その答えは、自分をコントロールする力なのです。本書では、この力について見ていきたいと思います。

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最終更新:11/12(火) 10:01
現代ビジネス

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