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人気漫画家、北条司が初告白!「僕のギャグの原点はアニメ“トム&ジェリー”」

11/12(火) 17:00配信

ザテレビジョン

「シティーハンター」「エンジェル・ハート」の人気漫画家・北条司が、このたび実写映画で初めてメガホンを取り、世界中の人々が共感できる“愛の物語”を描き出した「エンジェルサイン」(dTVチャンネルのひかりTVチャンネル+で配信)。「サイレントマンガオーディション」作品6,888編の中から選び抜かれた5作品に、北条司が描き下ろしたオリジナルの「プロローグ&エピローグ」を加えて構成された長編オムニバス映画だ。全編を通してせりふを用いず、映像と音楽のみで物語が展開していくため、言語や国境を超え、世界中の人が共感できる内容となっている。今回、北条のアトリエを訪問し作品への思いなどを聞いた。

【写真を見る】総監督を務めた北条司の貴重なショット

■ 一つのものをみんなで作り上げていく作業は本当に楽しい

――今回、総監督に就任されたきっかけはどんなところからですか。

当社の社長から「映画の監督やらないか、やるよね、やってみろ」と言われまして(笑)。ちょうど連載が終了したいいタイミングでしたし、面白そうだからやらせていただくことにしました。ただ僕ももう60歳なので、僕でいいんだろうかという気持ちが心のどこかにあったので、「後悔しないでくださいね」とは言いましたね(笑)。とにかく一つのものをみんなで作り上げていく作業は本当に楽しいです。

――本作はサイレントマンガから生まれているわけですが、サイレントマンガの魅力って何でしょうか。

そんなに複雑な物語設定はできないですし、長編も無理でしょうけど、叙情的な短編を言葉なしに表すのには向いていると思います。こういうのは同人誌に近いマニアックな雑誌では昔からありましたね。僕らの前の世代のマンガ家さんたちもそういうのを描いていたと思います。

マンガって静かじゃないですか、ドカーンドカーンと描いてあるから何となく言葉や音をイメージするけど、そういうのを排除してゆっくりと進行するようなものを描いてみたいという気持ちがあるんじゃないですかね。マンガは登場人物が実際にしゃべってないのにしゃべっているように感じさせ、音がないのに音を感じさせるように描くものですが、サイレントマンガはそういうものを一切排除してゆっくりと物語を構成していけるのがいいと思います。絵だけで話を構成していくというのは、マンガを描く側にとって、ちょっとあこがれでもあるんです。

――今回は脚本がないそうですね。絵コンテ、Vコンテから映画を作るというのはどうですか。

せりふがない映画ですから、脚本は必要ないと思うんですよ。ただ構図などは予め提示した方がスタッフにも役者にも分かりやすいと思いました。みなさんプロなので、僕のイメージを絵コンテやVコンテを通して伝え、あとはみなさんのイメージでやってください、という感じでした。

――絵コンテのクオリティーの高さには驚きました!

そうですかね、僕は絵コンテとして描いただけなんです。でも役者の方がやりやすいと言ってくれましたので嬉しかったですね。

■ いろいろな秘話が飛び出す

――アクションのイメージが強い北条先生ですが、今回は静かな作品なので意外でした。

たしかに作品がアニメーションや映画になったことでアクションシーンが強調されていて、僕の作品はアクションのイメージが強いと思いますが、僕のマンガにはアクションシーンはほとんどありません。事件解決の場面では銃を大体1、2発撃って終わりなんです。アニメーションや映画のように、あんなに人をバタバタと倒して敵の陣地に乗り込んで行くようなシーン、僕は描いたことないんです(笑)。それに今回は選ばれた5作品がアクションではなく、すべて叙情的なものでしたからプロローグやエピローグをアクションにするわけにはいきませんしね(笑)。

――では、そのプロローグとエピローグは、どのように考えられましたか。

5作品が最終的にそろうだけではつまらないので、何か一つのきっかけがあってそれに引き寄せられてくるような話にしたい。それには音楽的なものでまとめるのがいいだろうというところから発想しました。

――エンディングで、ディーン・フジオカさんが歌を歌われていますよね。

当社の社長がサイレント映画にもかかわらず主人公の2人が愛を交わす歌を入れたいと言い始めまして…。それだったらエンディングやプロモーションビデオで使うとか、映画と切り離したところでやった方がいいのではないかと提案して、エンディングに落ち着いたというわけです。うちの社長もやりたいことが多すぎて、制止するのが大変なんです(笑)。

――映画のタイトルの「エンジェルサイン」は、先生の作品「エンジェル・ハート」を彷彿させますね。

意図したわけではなかったのですが、絵コンテやVコンテを制作している途中で、“奇跡が起きる兆し”を“エンジェルサイン”と言うという話が上がりました。タカヤが作曲した曲もその流れでAngel Signという曲名になって、気が付けば映画のタイトルも「エンジェルサイン」になってました(笑)。

■ リョウと香のキャラクターは、時代劇の近衛十四郎と品川隆二のコンビが原点!

――マンガを描く時に映画を参考にされる場合はありますか。

音がないのに音を感じさせ、登場人物が実際にしゃべっているわけじゃないのにしゃべっているように感じさせるように描くのがマンガです。ですからすべて備わっている映画をマンガを描く時の参考にすることは殆どありません。

――今回、実写映画の初監督をされましたが、映画はよくご覧になられますか。

映画は好きでよく見ます。特にマンガでは表現できないような作品が好きですね。高校生の時に見た「ウエスト・サイド・ストーリー」には衝撃を受けました。戦いのシーンを歌とダンスでやってしまう斬新さがすごく気に入りました。「2001年宇宙の旅」も好きな作品の一つです。

――「シティーハンター」のリョウと香のキャラクターはどこから生まれたんですか。

僕も改めて考えましたが、原点は子供の頃に見ていたテレビドラマの「素浪人月影兵庫」や「素浪人花山大吉」ですかね。時代劇の近衛十四郎と品川隆二のコンビがリョウと香じゃないかと思っています。特に時代劇が好きというわけではないんですが、あの作品は好きで見て再放送も見ていましたね。意識はしていなかったのですが、少なからず影響を受けたのかもしれません。

――北条作品のギャグや笑いの原点はどこからきていますか。

テレビアニメの「トムとジェリー」かな(笑)。

――最後に映画を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

静かで叙情的な作品です。美しい映像といい音楽で、いい夢が見られると思います(笑)。

ほうじょう・つかさ●1959年生まれ、福岡県出身。1980年に「週刊少年ジャンプ」に掲載された「おれは男だ!」でデビュー。「キャッツ・アイ」、「シティーハンター」「エンジェル・ハート」等を執筆し、多くのファンを魅了する。(ザテレビジョン)

最終更新:11/21(木) 16:59
ザテレビジョン

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