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MMTをめぐる議論で欠けている「供給力」の視点

11/12(火) 7:43配信

東洋経済オンライン

内外で議論の最先端となっている文献を基点として、これから世界で起きること、すでに起こっているにもかかわらず日本ではまだ認識が薄いテーマを、気鋭の論客が読み解き、議論する「令和の新教養」シリーズ。
前回、経済評論家で株式会社クレディセゾン主任研究員の島倉原氏が監訳をつとめた『MMT現代貨幣理論入門』を基に、MMTの概要を解説した。

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今回は、同氏と中野剛志(評論家)、佐藤健志(評論家・作家)、施光恒(九州大学大学院教授)、柴山桂太(京都大学大学院准教授)の気鋭の論客4人が、同書をめぐって徹底討議する。

■納税動機とMMT

 島倉原(以下、島倉):本書『MMT現代貨幣理論入門』で監訳を担当した島倉です。ご覧いただいていかがでしたか。

 施光恒(以下、施):私が面白いと思ったのは、「貨幣より先に、まず国家ありき」という経済の捉え方です。国家が自らの債務証書としての貨幣を出し、「これで税金を払え」と命じることで普及させる。それにより経済が動いていくという順序ですね。最初に主権を打ち立てることによってゼロから有を生み出すという意味で、ドイツの政治学者のカール・シュミットなどの考え方に近いと感じました。

 佐藤健志(以下、佐藤):著者のランダル・レイは149ページで、FRB議長だったベン・バーナンキの言葉を引用します。「政府はキーストローク、つまりバランスシートへの電子的な記帳を行うことで支出する。そうするための能力に、技術的なあるいはオペレーション上の限界はない」。

 貨幣に関しては無から有が生み出せる以上、政府は財政赤字を気にしなくていい。通貨発行権という経済的主権が、積極財政による経世済民という政治的主権を支えるんですね。

 中野剛志(以下、中野):政府支出に納税額が追いつかなくても、何も問題はない。なぜなら政府は自分が必要なだけのお金をいつでも創り出せるからです。みんな錯覚しているんですよ。本当は、政府は自分が創った金で運営されているのに、「政府は国民の税金で運営されている」と思い込んでいる。国民も公務員もね。

 柴山桂太(以下、柴山):そんな話を聞いたら、誰も納税しなくなるのでは(笑)。

 中野:それは別の意味でまずいんです。納税こそが貨幣の根拠なので、国民が納税義務を果たさなくなると、通貨は通貨として存在できない。そうなると国家も成り立たない。

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最終更新:11/12(火) 7:43
東洋経済オンライン

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