ここから本文です

「先発はクボ+10人であるべきだ」久保建英初得点と現地タクシーにて。

11/12(火) 20:01配信

Number Web

 第4審判が掲げる電光板に「26」の数字が表示されると、体を丸めて寒さに抗っていたスタンドの人々が一斉に立ち上がり、拍手と共にその名を呼びはじめた。

【秘蔵写真】12歳でバルサに君臨した久保、ロベカルをブチ抜く15歳の森本、ロン毛の長谷部&本田、ニコニコする俊輔&中田、ギラついた頃のカズ&ラモスに川口。

 「クーボ! クーボ!」

 主審に急かされ、小走りでピッチを後にした若き教え子の胸に、ビセンテ・モレノ監督が右の拳を押し付ける。後にビデオで確認すると、長身の指揮官はこう言っていた。

 「ESO ES(それでいい)!」

 11月10日、パルマ・デ・マジョルカ。前夜から急激に冷え込み、雨と強風にも見舞われた日曜昼の一戦には、今季初めて1万人を下回る8174人の観客しか集まらなかった。

 しかし、悪天候も顧みずチームを見守り続けた熱心なマジョルキニスタたちには、相応のご褒美が待っていた。

 レアル・マドリー相手に金星を挙げた10月19日以来となる4戦ぶりの勝利、そして待ちに待った久保建英の初ゴールである。

初アシスト以降は苦しんでいた。

 9月22日の第5節ヘタフェ戦で初アシストを記録して以降、久保は消化不良のプレー内容が続いていた。

 チームが左サイド中心で攻撃を組み立てるため、右サイドで待っていてもなかなかボールが回って来ない。だからこそ、持った際には何かしなければという意識が強くなり、強引なドリブル突破を繰り返すようになってしまう。

 チームが負けている時ならそれでもいい。問題はリードを保つべき時までそのようなプレーが目立つようになったことで、第11節オサスナ戦では加入後初めて出番がなかった。

 中2日で臨んだ11月3日の第12節バジャドリー戦では5戦ぶりとなる先発の機会を得たものの、チャンスを生かせず。自身は2点を追う後半半ばに交代を強いられ、チームも0-3で完敗した。

「PKと判断できるだけのコンタクト」

 そのような流れで迎えた第13節ビジャレアル戦。久保が2戦連続で先発を維持できたのは、恐らくベテラン司令塔のサルバ・セビージャが出場停止で不在だったからだろう。

 サルバの代役は23歳のアレイシ・フェバスが担い、久保はいつも通り2列目の右サイドに入った。

 しかし、前節との違いが1つあった。

 普段はサルバが務めているセットプレーのキッカーを、久保が任されたことだ。

 11分、久保が蹴った左CKのはね返りが再び久保の足元に収まる。すかさず久保はザンボ・アンギサを縦にかわしてペナルティーエリア内へ侵入。さらにヘラルド・モレノを右にかわすと、両足で飛び込んだビセンテ・イボーラより一瞬早くボールをつつき、倒れ込んだ。

 「PKと判定できるだけのコンタクトはあったと思う」

 本人の言葉通り、このプレーはVARの確認を経て、マジョルカの先制点となるPKと判定される。

 そして先述のヘタフェ戦以来、8試合ぶりに得点に関与したこのプレーを皮切りに、久保は急激に存在感を増していった。

1/3ページ

最終更新:11/12(火) 20:01
Number Web

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事