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タピオカ「2億杯分」売れた ブームを超えて国民食に

11/12(火) 6:00配信

日経クロストレンド

※日経トレンディ 2019年12月号の記事を再構成

 日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2019年ヒット商品ベスト30」2位に「タピオカ」が選ばれた。ドリンクにもデザートにもなる「黒い粒」に長蛇の列ができ、輸入量は2018年の4.5倍のペース。大手チェーンも参入し国民的飲料となった。

【関連画像】スシローの「光るゴールデンタピオカミルクティー」。約3カ月で160万杯以上を販売した

寿司チェーンも菓子も巻き込み大乱戦

 ここまで謎めいたヒットにはなかなかお目にかかれない。2018年に既に「第3次ブーム」といわれていたタピオカの消費量が、さらにその4.5倍に拡大。もはや一過性のブームではないレベルに成長した。

 財務省貿易統計によると、19年1~7月の輸入量は6270tで、過去最高だった18年(1~12月)の2倍を既に突破。前年同期比で見れば4倍以上のペースで消費されている。一般的なタピオカ飲料には25~30gのタピオカが含まれており、単純計算では2億杯分以上となる。

 その発信源である台湾は旅行先の定番。まずは、ドリンクとデザートのいいとこ取りをしたタピオカミルクティーに魅力を感じた人が、13年に上陸した「春水堂」などの専門店を訪れるようになった。タピオカの粒や太めのストローが写真映えすることもあり、インスタグラムなどのSNSで急拡散。「タピる」「タピ活」といった流行語ができるとともに、多くの専門店で長蛇の列ができた。

 そのブームが、台湾系の大手チェーン店の出店攻勢でさらに加速。「ゴンチャ」や「ジ アレイ」などの有名店は、日本での店舗数を19年に倍増させた。その他国内系も含めて数多くのタピオカ飲料店が各地に出店。ホットペッパーグルメ外食総研の有木真理氏は、「タピオカ飲料は、作るのが簡単でテイクアウトが多いので、カフェなどよりも狭い面積で出店できる。原価率も低いので新規参入しやすい」と、大量出店の背景を解説する。大都市だけでなく、短期間で計5店が乱立した福井県の福井駅西口など、「タピオカ激戦区」が全国各地にできた。

 甘いミルクティーが定番だった飲料にも様々なバリエーションが登場。例えば春水堂は、ほうじ茶、ジャスミン茶、鉄観音茶、ミルク、豆乳などの組み合わせで、タピオカ飲料を10種類以上に増やした。「CoCo都可」のように甘さを5段階で指定できる店舗も増加。飽きさせない工夫でリピーターを確保するとともに、甘いものに罪悪感を抱く中高年女性も獲得した。

 5月ごろからは、大手飲食チェーン店も相次いで参入。7月から2種類のタピオカドリンクを販売したドトールコーヒーショップは、「事前のテスト販売の段階から反響が大きく、店舗や本部への問い合わせが殺到した。販売数も圧倒的で、ここ数年では間違いなく一番のヒットといえる」と売れ行きを表現する。大手チェーンの採用により、「専門店に並ぶのは恥ずかしい」と感じていた男性もタピオカドリンクを手にできるようになった。スーパーやコンビニで販売されるタピオカ飲料も総じて好調。最近ではタピオカをモチーフにした菓子も多数登場している。

 有木氏は「ブームはやがて収まるが、タピオカ飲料が街から消えることはもうない。これから定着期に入り、様々な場所で当たり前に飲めるようになる」と定番飲料化を明言する。「3度目の挑戦」で、ついに国民食の仲間入りを果たしつつある。

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最終更新:11/12(火) 8:25
日経クロストレンド

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