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“名古屋めし”のまるは 中小企業には主導権が必要

11/12(火) 6:00配信

日経ビジネス

“名古屋めし”の1つ、立派なエビフライと活魚料理を売り物に、愛知県の知多半島と名古屋市周辺で「まるは食堂」などをグループで9店展開、2020年に70周年を迎える、まるは。重要な経営課題は、財務強化と、人材の確保・育成と坂野豊和代表は言う。新しい業態展開による経営基盤の安定化、また「中小企業は身近な範囲でいいのでオンリー1を目指すことが大切。採用も、そのこだわりに対する共感から始まる。社員のゴールは経営者」という独自の人事戦略などについて聞いた。

【関連画像】坂野豊和(ばんの・とよかず)株式会社まるは代表取締役。1975年、愛知県南知多町生まれ。94年、愛知県立武豊高校卒業後、株式会社ツーリストトップワールド(名古屋市)に入社。98年、祖母の故・相川うめ氏が創業したまるは食堂の危機を知り、実家に戻りまるは入社。2006年、代表取締役就任。現在はグループ4社の取締役を兼務。(写真:森田直希)

―2020年に創業70周年を迎えるに当たり、今年のテーマとして“礎”を掲げていますね。

坂野豊和氏(以下、坂野):今は、徐々に経営環境が変化する時代を超えて、経営環境がガラッと変わってしまうような変化の激しい“非連続の時代”です。明日、何が起こるか分かりませんから、とにかく経営基盤を安定させる必要があると考えています。これまでの原点である食堂を大切にしながら、今後の礎を築いていきます。

 当社グループでは現在、知多半島の南端の南知多町で「まるは食堂旅館」という南知多豊浜本店と、知多半島の常滑市に中部国際空港店、りんくう常滑店、名古屋市街のラシック店、チカマチラウンジ店、JR名古屋駅店、名古屋市郊外のイオンモール大高店の6店舗の「まるは食堂」を経営しています。

 まずは、この中で最も古く規模も大きい本店の建て替え問題に備えます。本店は1976年築ですから、今後十数年で建て替えが必要なのです。本店建て替え中の受け皿をどうするか。受け皿がなければ、財務への影響、社員が働く場所の減少、お客様のニーズを満たす場所の減少という影響をもろに受けます。

 これまで店舗を増やしてきたのも、この問題を解決する目的で進めてきたものです。新たな事業も手掛けつつあります。

●バーベキュー施設やパーキングなどの新規事業を拡大

 1つは、同じ南知多町で開業4年になる「マルハリゾート」というバーベキューも楽しめる業態です。

 もう1つは、まるは食堂のりんくう常滑店近隣には「まるはドライブインりんくう常滑店」を開業し、ここにはセントラルキッチンも造りましたので、2019年8月にオープンした中部国際空港隣接の愛知県国際展示場へのケータリングやテークアウトに力を入れていく予定です。

 食堂とは全く関係のないような太陽光発電事業も手掛けています。地元の方から弊社にならと提供いただいた隣町、美浜町にある土地で発電容量1.3MWの施設を運用しています。

 この事業は財務面の補強と考えています。「他店には絶対負けられない」とこだわっている高品質で大きなエビフライ用のエビが、今後なかなか捕れず仕入れ価格が上がっても、お客様にはできるだけお値打ちで提供したいという思いもあります。

 エビについて言えば、実はこれ以上の新規出店はできないほど足りない状態です。大都会、名古屋の店舗のランチにエビフライは付けていません。マルハリゾートでも、単品のエビフライは用意していますがバーベキューにエビは付けず、地元の知多牛や野菜を楽しく食べてもらっています。

 M&A(合併・買収)でパーキング事業も始めました。また19年11月には、購入した民宿をリノベーションして新たな宿泊施設としてオープンします。

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最終更新:11/12(火) 6:00
日経ビジネス

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