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公的年金、働き方・暮らし方で変わる3つの加入者

11/13(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

20歳代の君たちへ、まず始めにクイズを出そう。国民年金、厚生年金、企業年金、個人年金、確定拠出年金のうち、公的年金に当てはまるものはどれか――。正解は国民年金と厚生年金。大学生約1000人のうち、この設問に正解できたのは約3分の1にすぎなかった。大学生が参加する「ユース年金学会」で以前報告された調査結果だ。
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■国民年金の加入者は6700万人

この2つは2階建てとされる日本の公的年金の1階と2階に当たる。国民年金は基礎年金ともいい、20~60歳の全ての人が入る。20歳になったときに加入案内が届いたはずだ。厚生年金は会社員や公務員らが入る。つまり彼らは2つの年金制度に加入するわけだ。
そもそも会社に雇われている人の厚生年金と、自営業や自由業、無職の人らが入る国民年金、公務員や教職員が入る共済年金は別々の年金制度だった。それらをまとめ、今の形になったのは1986年度から。国民年金は全員共通になったが、働き方で加入先が異なる点は変わらない。共済年金は厚生年金と一緒になった。
加入者が保険料を納め、年をとったり障害を負ったりしたときに年金を受けるのが制度の基本だ。加入者を被保険者と呼び、国民年金では約6700万人に上る。被保険者は1号から3号に分かれ、月々の保険料も受給額も異なる。自分がどれに該当するか知っておこう。

まずは第1号被保険者から。国民年金に入る自営業者や学生をはじめ、会社員や公務員を除く多様な人が対象だ。フリーで働く人もここ。今はパート・アルバイトや無職の人の割合が高い。毎月定額の保険料を自分で払う。ずっと第1号だと老後の年金は最大月約6万5000円と少ない。

■厚生年金保険料は収入連動

続いて第2号被保険者は厚生年金に入る会社員や公務員ら。入社から退職まで毎年決まった率の保険料が月給から引かれる。2019年度の料率は18.3%。収入連動なので昇給すると通常は保険料も上がるが、雇い主が半分負担してくれる。老後の年金は平均月14万円台。高い収入で長く勤めるほど年金が増える。
そして第2号に扶養される専業主婦らが第3号被保険者。本人が払う保険料はゼロで国民年金の受給が保障される。第2号全体で保険料を負担している。
近年目立つのは厚生年金加入者の増加ぶりだ。子育てを経ても、60歳を過ぎてからでも、有利な厚生年金に入って働く人たちが増えている。国も基準を広げて加入を促す。加入者別に見ると第1号と第3号が減って第2号が増える構図だ。
転職や独立、結婚や離婚など、長い人生では2つの年金や3つの加入者をどう選ぶか問われる場面があるだろう。それぞれの特徴を知ることは、君たちが進路を決める際の手助けになるはずだ。
(土井誠司)
[日本経済新聞朝刊2019年11月9日付]

最終更新:11/13(水) 7:47
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