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中国の備蓄米 維持管理に大問題と中国メディア

11/13(水) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 中国政府は大規模災害や戦争など緊急事態に備えて、大量の備蓄米を保存しており、トウモロコシや小麦、大豆などの他の穀物も加えた総量は約6億3000万トンであることが明らかになった。政府は備蓄米の乾燥のために安価な石炭を使ってきたが、石炭の燃えかすの粉塵がコメを汚染していることが判明。

 新たな乾燥方法として二酸化炭素を使うことも検討されているが、その費用が約1兆元(約17兆円)かかることが分かり、担当者や研究者らは頭を抱えている。

 ネット上では「政府の無計画で杜撰は保存方法が原因。1兆元もかかるのならば、アメリカから輸入した方が安いのではないか」などとの批判の声が殺到している。中国国営の中央テレビ局が伝えた。

 中国政府はこれまで備蓄米の存在を秘密にしており、6億3000万トンもの備蓄穀物の存在が明らかになったのは初めて。これはとあるテレビ局が11月初旬、中国各地に存在している備蓄米の倉庫群の1つを詳細にレポートしたことから分かった。

 なぜ、中国政府がこれだけのコメや穀物を保存してきたのかについて、レポートでは、1959年から1961年の3年間、中国を襲った大飢饉の教訓があるとしている。これは当時の最高指導者の毛沢東が工業の現代化を急ぐあまり、農民を総動員して鉄鋼生産を行ったため、農民は農産物を生産できずに種籾も食べつくしたことから、食糧が枯渇し、一説には数千万人以上が餓死したという。

 その後のトウ小平氏らの最高指導部は、万一のために備えてコメを保存するよう指示したという。しかし、さすがのトウ氏も適切な保存方法まで指示できなかったようだ。

 備蓄米は広大な倉庫群に保管されており、時間の経過とともに、劣化したり、害虫が涌いて食いつぶしてしまう恐れもあることから、担当者は一定期間、石炭を使ってコメを乾燥させていた。

 その石炭の量は毎年170万トンにも達していたという。この量はイランが1年間で消費している石炭の量と同じだという。

 しかし、中国の石炭は品質が悪く、石炭の燃えかすの粉塵が発生、これが備蓄米を汚染してしまったという。

 ある科学者は「コメを乾燥させるために、石炭を使わず、二酸化炭素を使って低温で乾燥する方法が最適だが、膨大な備蓄米を洗浄する費用や、さらにこれまでの石炭を使う乾燥する機械を廃棄して、新たな機械を製作する費用は莫大な額になるとみられる。現在の試算では少なくとも1兆元は下らない。もっと簡単は方法があればよいのだが、汚染米の処理は極めて複雑で、一筋縄ではいかない」と指摘しているという。

最終更新:11/13(水) 7:00
NEWS ポストセブン

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