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病気ではなく老化現象? 健康寿命“75歳の壁”の正体〈週刊朝日〉

11/16(土) 11:30配信

AERA dot.

 約7人に1人が「後期高齢者」にあたる75歳以上という日本。体や心の機能が10~20年前に比べて5~10歳若返っており、社会で活躍する後期高齢者も少なくない。だが、やはり“寄る年波には勝てない”ことを実感するのも、このころからではないだろうか。実態をつかむことが対策の第一歩。75歳の壁の正体を知り、うまく乗り越えよう。

【イラストで見る】75歳以上に多い病気

 今年1月に75歳の誕生日を迎えた主婦のヨシコさん(仮名)は、「いろんな問題が顔を出した一年だった」と振り返る。

 春には白内障と診断され手術。これまで安定していた生活習慣病関連の数値が急に悪くなり、めまいや足の付け根の痛みなどにも悩むようになった。

「体力も食欲も以前のままなのに。明らかに体の状態が変わった気がする」

 実際、75歳、あるいは70代での変化は、多くのデータからも見てとれる。

 まず本誌が注目したのは患者調査(2017年)。国が3年ごとに行っている調査で、さまざまな病気の推計患者数が年齢別などに載っている。これを見ると、高血圧や糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの慢性疾患や、これらの病気が原因で起こる心筋梗塞や脳梗塞などで、若い人よりも患者数が多い。

 75歳以上の生活習慣病については、加齢に伴う生理的な変化もあり、症状の表れ方も治療に対する反応も若い人とは異なる。このため、日本老年医学会は高血圧や糖尿病などの病気で75歳以上が目標とする値を打ち出した。

 例えば、高血圧では、目標値を74歳以下よりも高く150/90mmHg未満としている。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)でも、70歳以上が目標とするBMI(体格指数)を21.5~24.9としている(ちなみに、50~69歳は20.0~24.9)。

 高齢者に生活習慣病が増える背景を、慈恵医大晴海トリトンクリニック(東京都中央区)で高齢者の寝たきりを防ぐ取り組み「ライフデザインドック」を行っている東京慈恵会医科大学教授の横山啓太郎さんは、「糖尿病や高血圧といった生活習慣病の多くは、病気というよりも、老化と捉えたほうがいい。増えるのは自然なこと」と話す。

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最終更新:11/16(土) 11:30
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