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白石和彌監督と初タッグ!『ひとよ』で新境地を切り開いた鈴木亮平にインタビュー!

2019/11/13(水) 20:03配信

集英社ハピプラニュース

田中裕子との共演で芝居の醍醐味を実感

――予告編で鈴木さんが叫ぶところが使われている、田中さん演じる母親のこはる、MEGUMIさん演じる妻の二三子、そして妹の園子と4人で向かい合うシーンは、ものすごいリアリティで、作品のクライマックスだと感じました。こはるは親子の関係が15年間空白になっているところに帰ってきて、真正面からぶつかってくるんですよね。

あのシーンは、茉優ちゃんには事前に相談していました。もともと台本では大樹が家の物を壊しまくる設定だったんですよ。でも、物を壊すのはまだ気持ちに余裕がある証拠じゃないかとか、大樹は自分が許せない人なんで、その気持ちを物にはぶつけないんじゃないかとか、大樹の発作みたいな行動はこれまでにも何度か起きていて、それを園子は知っているんじゃないかとか。それで、監督に「こうさせてほしい」というのを伝えてリハーサルに臨んだんです。そうしたら、自分でも思っていなかったほど、「本当に何もかも嫌だ」っていう気持ちになって……演じているうちにどう気持ちが動くかというのは、実際にやってみなければわからないんです。

――その場の緊張感などはどんな感じだったのでしょうか。

田中さんの出方は全くわかりませんでした。自分の15年は考えられるけれど、彼女がこはるの15年をどう考えてぶつかってくるかはわからない。そこがお芝居の難しいところです。現場では監督が田中さんに「大樹にじわじわ近づいてください」って指示していたんですが、じわじわ来られると逃げたくなる。でも、抱きしめられた時、自分の中の15年という時間は、一瞬にして母親の体温と匂いに溶かされてしまって。一方で、本当は自分もお母さん!ってすがりたいけれど、同時に、それをしたら俺の15年の苦しみはどうなるんだ、という葛藤も生まれてくる。田中さんとのシーンは、意識を外において魂のやりとりをしていくようなものでした。すごくよかったですね。

『ひとよ』11月8日(金)より公開

◆あらすじ
15年前のある夜、タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、愛した夫を手にかける。三人の子供たちの幸せと信じてのことだった。こはるは15年後の再会を子どもたちに誓い家を去る。運命を大きく狂わされた三兄妹は心に傷を抱えたまま大人に。家族と距離を置き東京でしがないフリーライターとして活動する次男・雄二(佐藤健)、地元で結婚するも妻に真実を話せず、夫婦関係に思い悩む長男・大樹(鈴木亮平)、事件によって美容師の夢を諦めスナックで働く長女・園子(松岡茉優)。そんな3人のもとに、約束通り、母・こはるが帰ってくる―。

◆プロフィール
1983年兵庫県生まれ。森田芳光監督『椿三十郎』(’07)にて映画に初出演して以降、映画・ドラマと活躍。近年の主な映画出演作品に『HK/変態仮面』(13)、『TOKYO TRIBE』(14)、『風に立つライオン』(15)、『予告犯』(15)、『俺物語!!』(15)、『海賊とよばれた男』(16)、『忍びの国』(17)、『羊と鋼の森』(18)などが。NHK連続テレビ小説『花子とアン』(14)ではヒロインの夫・村岡英治役を演じ第39回エランドール賞新人賞を受賞。NHK大河ドラマ『西郷どん』(18)では主演を務めた。公開待機作品として『燃えよ剣』(20年公開予定)がある。

Photography:Yuka Fujisawa Interview&text:Shiyo Yamashita

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最終更新:2019/11/13(水) 20:03
集英社ハピプラニュース

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