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国税とのコネクションを活かして飯を食う「OB税理士」の実態

11/13(水) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

※本連載は、元国税調査官の税理士である松嶋洋氏の著書『それでも税務署が怖ければ賢い戦い方を学びなさい 調査官も知らない税務調査の急所』(金融ブックス)より一部を抜粋し、正確な税務調査知識をもとに国税・税務調査でうまく戦うための方策を紹介します。

「福利厚生」で配布されたチケットを…

OB税理士と話すと話題に上ることの一つに、現職時代に裏金を作っていたことが挙げられます。税務署の上級機関である国税局から、各税務署に税務署の職員の福利厚生として芝居などのチケットを交付されることがあります。そのチケットについて、以前勤めていた税理士事務所のOB税理士が話していたことですが、職員に配ることなく、金券ショップで現金化して税務署の予算に充てる、といったことがかなり行われていたようです。

税務署の会計業務を行ったことがないため確たることは言えませんが、現職時代、上級官庁から割り当てられる税務署の予算が少ないため、税務署の会計担当者は自腹を切らされることがある、と聞いたことがあります。自腹を切ったところで焼け石に水でしょうから、このような裏金作りも国税内部では必要悪として行われていたと思われます。

さすがに現職時代にはこのような話を税務署の外部ですることはできませんが、会社の不正経理を発見して是正させるべき高潔な(はずの)組織の内部でこのような矛盾する実務が行われていた、という意味でギャグになると考えているOB税理士も多いのでしょう、OB税理士と話すとこのような話が笑い話としてなされることがたびたびあります。

現状もこのような裏金作りがなされているのか分かりませんが、一つ言えることは、税務署の正義感と矛盾することを行っていたとしても、その矛盾に対して国税組織は罪悪感を全く持たない、ということです。

実際のところ、私の現職時代、税務大学校という組織で行われていた研修については、試験問題を前バラシにしておきながら、それを情報公開の対象となる研修の日誌に記載しないよう、上司から強く指導されていました。

研修の日誌に記載しないよう指導する、ということは、試験問題を前バラシしているという事実関係を隠ぺいしていることになります。このような隠ぺい行為は、税務職員が厳しく指導する重加算税の要件と同様であり、隠ぺいする対象が課税対象となる事実関係かそうでないかの違いしかありません。

しかし、このような私の考え方は組織としては非常識だったのでしょう、研修のアンケートに「前バラシの試験でいい点とっても嬉しくない」と記載したところ、次回の異動では、地方の税務署にめでたく(?)左遷人事されることになりました(笑)。

なお、試験問題を前バラシしている研修は、国税職員の税理士試験の免除要件になっているものですから、実質的にOB税理士は前バラシの税理士試験を受けて合格証書を取得していることになります。一般の税理士試験は前バラシではありませんから、極めて不公平です。

このようなことを申し上げると、非常識な税理士に該当するとして、私に対して税理士の品位がないことから税理士免許をはく奪する、などといった指導が国税からなされるかもしれません(笑)。

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最終更新:11/13(水) 9:27
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