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「大学は、婚活のために入りました」。憧れの駐妻ライフを手に入れた、27歳女の誤算

2019/11/13(水) 5:20配信

東京カレンダー

今とは違う“何者か”になりたい。

ここ東京では、そんな風に強く願い行動した者のみが掴める、成功や幸せがある。

彼らは「勝ち組」・「成功者」と称され、周囲から、羨ましがられ、時に妬まれる。

しかし、ご存じだろうか。

彼らは、その影で、ジレンマに苛まれ様々なコンプレックスと戦っていることを…。

この連載では、そんな「勝ち組」となるまでと、その後のリアルストーリーをお届けする。

理想の結婚を手にしたはずの女

名前:小川麻里(仮名)
年齢:27歳
職業:英会話講師(アルバイト)


「久々の銀座だからテンション上がっちゃって、お洒落してきちゃいました♪」

平日の夕方、銀座のカフェに姿を現した麻里は、ルンと声を弾ませた。

彼女は、全身からフワフワとした空気感を漂わす、いかにもモテそうな可愛らしい女性だった。155cmほどの身長に、華奢なハイヒールを履き、全身白と淡いピンクでコーディネートされている。

「私、小さいころからディズニープリンセスが大好きで、そんなおとぎ話に出てくるような“幸せな結婚”っていうものに、並々ならぬ憧れを持っていたんです」

幼い頃を懐かしむような目をしながら、そう呟く麻里は、総合商社に勤める夫と23歳のときに結婚。その後すぐに夫のニューヨーク駐在が決まり仕事を辞め、憧れだった駐妻ライフを3年ほど経験し昨年帰国したそう。

お姫様願望の強い麻里にとって、きっと今の暮らしはとても幸せなのだろう。

しかし、ちょっと目を離している間に、麻里はスマホをスクロールしたと思ったら、眉間に皺を寄せて大きな溜息をついた。

何が彼女をそんな表情にさせるのか、理由を尋ねた。

カッコイイ男子は、みんな私に夢中だった

「私。自分で言うのはなんですけど、幼い頃から『可愛いね』『お人形さんみたいね』と周囲にちやほやされながら育ったんです」

子供ながらに、そのルックスのおかげで得をしていることを自覚していたという。

「中学生の頃から、学年一のカッコいい先輩や他校の男子から、しょっちゅう告白されたりしてました。私も、モテることが嬉しくて...。それで、もっとモテたいなと思って、勉強はそっちのけでお洒落やデートばっかりしていました(笑)」

恋愛にしか興味がなく、全くと言っていいほど勉強をしてこなかった麻里は、地元の私立高校に何とか滑り込みで入学した。そこでも、いわゆるクラスのマドンナ的な立ち位置をキープし続けた。

「高校2年の夏、初めて本気で好きになりました。バスケ部のキャプテンで皆からの人気者の智弘くん。高身長のジャニーズ系イケメンで、頭も良くて。とにかく本当に本当に格好良かったんです!!それまでにも、あの人カッコイイな~って思う人はいましたけど。あそこまで人のことを好きになるのは、初めてでした」

当時のことを思い出したのだろうか、赤面しながら智弘くんについて語った。

「でもね…」

麻里は自分を落ち着かせるように一呼吸おいてから、先を続けた。

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最終更新:2019/11/13(水) 5:20
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