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侍ジャパンの“形”が見えたメキシコ撃破【プレミア12】

2019/11/14(木) 12:52配信

週刊ベースボールONLINE

リードを守り切った強力投手陣

 結果的に打線はこの3点にとどまったが、「まず先制点を取れたというところでチームの流れになっていき、日本らしいわれわれの勝ち方につながった」と稲葉監督が話したように、序盤の3点の援護が投手陣の完璧なパフォーマンスにつながっていく。

 まずは先発の今永昇太。会沢翼との事前に話し合ったメキシコ対策が見事にハマった。初回の打者3人に初球カーブを投じる入りは、「初回だけは何で行くかと会沢(翼)さんと話し合い、カーブから入りました。速球系は怖かった」と強力なメキシコ打線を警戒したものだが、これでタイミングを狂わせ、三者凡退でスタート。

 前回登板のチャイニーズ・タイペイ戦(11月7日)は3回で降板も、「前回よりもストレートの質が良かった」と状態の良かったこの日は、そのストレートとともにカットボールやチェンジアップを巧みに配した。「相手の打ちたいカウントの中で、チェンジアップや緩いボールを使えました。だから待っていないところに真っすぐを投げられた」と序盤3イニングを無安打に。4回先頭のジョーンズにインコースの初球のカットボールを左翼スタンドまで運ばれ「まさかあのボールをあそこまで……」と衝撃を受けたが、あらためて警戒を強め、その後は再び慎重でていねいな投球で6回を毎回の8奪三振、本塁打による1安打のみと先発の仕事を十二分に果たした。

 大会を通じて状態の良いリリーフ陣はこの日も完璧。7回からマウンドに上がった甲斐野央は、最速156キロのストレートを意識させつつ、140キロ台のフォーク、スライダーを配して四球を1つ許したのみで山本由伸のバトンタッチ。8回を任された山本はすべてのアウトを空振り三振で仕留める圧巻の投球を見せる。二死から自らの失策で走者を許したが、最後もフォークで空振り三振と相手の反撃の芽を摘んだ。9回はクローザーの山崎康晃がマウンドに登り、先頭の二番・ペリオを二ゴロに打ち取ると、バルガス、エバンスから連続三振を奪い、試合を締めた。

 メキシコの強力打線を本塁打による1安打に抑えた投手陣に対し、稲葉監督は「中継ぎも安打ゼロ。それぞれが素晴らしいピッチングをしてくれたと思います」と満足顔。早い段階で先制点を奪い、強力な投手陣で守り抜く。追加点が奪えなかったことに課題はあるが、日本が理想とする勝ち方だったのではないか。

文=坂本匠 写真=山口高明

週刊ベースボール

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最終更新:2019/11/14(木) 13:10
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