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【ヒットの法則54】997型ポルシェ911カレラ4/4Sはスポーツカーにおける4WDのあり方を明示していた

11/14(木) 12:04配信

Webモーターマガジン

911の販売の半分以上が4WDモデルだった

2005年、997型ポルシェ911に4WDモデルが追加されている。予想されていたバリエーションの追加ではあるが、カレラ4/カレラ4Sが同時に発表されたこと、ともにワイドボディを持つようになったことなど、従来と違う点も多かった。997型カレラ4/カレラ4Sには、いったいどんな狙いがあったのだろうか。(以下の記事は、Motor Magazine 2005年8月号より)

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南仏はモナコの街並みを見下ろす、山の中腹に建てられたホテルをベースに、カレラ4&4Sの国際試乗会は行われた。モンテカルロラリーで使われる、あの道幅が狭くタイトなコーナーが続くチュリニ峠などのワインディングロードで、このクルマの実力を見て欲しいというポルシェAGの意向なのだろう。

さて、その試乗前のプレゼンテーションで、意外な事実を知って驚いた。ターボを含めると「去年(2004年)販売された911の半分以上が4WDモデルだった」というのだ。これほど4WD比率が高いとは思ってもいなかった。

質疑応答の時間があったので、「今後、911の4WDの割合はどうなっていくと思うか」と聞くと、「とくに大きな変化はないだろう。期待するとしたら、全部ターボで売りたい。それが一番儲かるから」と、半分ジョークで返されてしまった。

スポーツカーの高性能化はイコール4WD化ということになるのか。その辺のポルシェの考え方をどうしてもはっきり聞いておきたかったが、幸い昼食のときに別のエンジニアに聞くことができた。それによると、「パフォーマンスをどう活かすかというソリューションにはいくつかの方法がある。確かに911のターボは4WDだが、ハイパフォーマンスカーのカレラGTは2WDだ。雪の上ならカレラ4がいいだろうが、天気の良い日だけならカレラ2の方がいい。軽い方がいいからだ」という。

要はケース・バイ・ケースで、4WDと2WDをうまく使っていくということだった。911ターボが4WDであり、また、911の販売台数の半分以上が4WDであることから、ひょっとしたら「これから911は4WDがメインになります」という答えが返ってくるかも知れないと思ったが、そうではなかった。

すると、今回登場したカレラ4の役割はどういうことになるのだろうか。とくにベースとなる現行911(997型)の仕上がりが非常に良く、スタビリティが高くなってい中で、4WDモデルの役割はどういうことなのか。結論から言ってしまえば「より安定性を高めるソフトな方向」で煮詰められ登場したということになる。

先代911(996型)の2WDモデルには、ある種ジャジャ馬的なところがあり、その部分を抑え、よりスポーツ性を高めるために4WDが使われていた側面がある。しかし、現行911は2WDでも十分にスタビリティが高くスポーツ性は高いレベルにあるので、4WDはさらにその上の安定性の向上のために使われているということだ。

そのデビューの仕方からして、先代996型の時とは違う。先代の4WDモデルは、まずカレラ4がデビューし、その後、ターボルックの自然吸気エンジン搭載車としてカレラ4Sが登場した。カレラ4とカレラ4Sには、性格付けに明らかな違いがあった。先代カレラ4Sは非常にスポーツイメージが強かった。

ところが今回、カレラ4とカレラ4Sが2台揃って登場した。スタイリングも基本的にこの2モデルは共通で、2WDモデルよりリアフェンダーのふくらみが大きく、全幅は44mm拡大して1852mmになっている。2WDモデルと4WDモデルを、スタイリング面でもはっきりと区別したわけだ。997型911は、まずベーシックなモデルとしてカレラとカレラSがあり、4WDモデルは2車とも同じボディにして従来型よりも個性を近いものにした。すると、容易に想像できるのは、次のターボはカレラ4Sとは違う、よりスパルタンなボディを備えて登場するということだ。997型では、ターボとカレラ4Sの外観上の共通性はなくなるのだろう。

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最終更新:11/14(木) 12:04
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