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「夫の稼ぎが多いなら、家事は妻が負担すべき」は正しいか?

11/14(木) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

夫婦の就労状況を比較した際、妻の時給が低ければ、妻が家事を負担したほうが家計全体のメリットは大きいのでしょうか? 経済学では、別の選択肢を選んでいたら得られたであろう利益を「機会費用」と呼び、常にこれを念頭に置くことが重要だと考えます。ここでは、複数の切り口から「機会費用」の考え方を解説します。なお、本稿はあくまでも機会費用について考察するものであり、男女平等や夫婦のあり方について論じるものではありません。塚崎公義教授の目からウロコの経済談義、連載第41回目です。

学園祭の焼き鳥販売より、焼き鳥屋のバイトのほうが…

学生のサークル10人が学園祭で焼き鳥を売り、3万円儲かったとします。1人あたり3000円の儲けですから、帰りに焼き鳥屋で一杯飲んで帰ることができ、青春の楽しい思い出となったことでしょう。よかったですね。

もっとも、金銭のことだけを考えるならば、学園祭で焼き鳥を売ったのは失敗でしたね。最初から全員で焼き鳥屋でアルバイトをしていれば、何倍も稼げたはずですから。

このように、少額の利益が稼げていても、ほかの選択肢のほうがさらに大きな利益を稼げるのであれば、その選択は誤りといえるわけです。もちろん、学園祭の焼き鳥売りは楽しいですから、金銭面だけで失敗と判断する必要はまったくありませんが。

夫婦2人で店番をして毎月20万円を稼いでいる零細商店があったとします。店を畳んで2人でアルバイトをすれば、20万円以上稼げるでしょうから、店を続けていることは正しい選択とはいえないでしょう。育児や介護をしながら店番をしているので働きに出ることができない、といった事情があれば別ですが、そうでなければ店を畳んで働きに出ましょう。

社内のエリートを集めた戦略部門が小幅の黒字を稼いでいるとき、社長は「エリートを集めているのだから、頑張ってもっと稼げ」と叱咤激励するのではなく、当該部署を解散してエリートたちを別の部署で活躍させる、という選択肢を考えてみましょう。そのほうがはるかに会社全体の利益は増えるかもしれませんよ。

このように、小幅の利益を稼いでいるが故に不適切な意思決定が温存されてしまうことが多いので、注意が必要です。最初から赤字なら、だれでも別の選択肢に気がつくのでしょうが。

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最終更新:11/14(木) 10:00
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