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「彼女に落ち度はない」看護師をクビにできなかった医師の末路

11/14(木) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

多くの勤務医が、「開業医」に憧れていることをご存じでしょうか。労働環境が過酷を極める勤務医と比べ、自身でスケジュール・資産管理ができることから、開業するメリットは計り知れません。しかし、バラ色の未来を掴もうとした結果、却って「大損」してしまう医師がいます。本記事では、しいの木子どもクリニックを開業した市川直樹氏が、開業するリスクを解説します。

開業医の「素人経営」が倒産リスクを高める

開業医となると、医院に対して課せられているさまざまな法的規制も守らねばならなくなります。たとえば、一つのクリニックには必ず1人の医師を管理者としておかねばならないのですが、建物が2つに分かれてしまったために、法律上は2つの医院と見なされて医師が2人必要になってしまったという例もあります。

また不動産業者にすすめられて、以前にも医院があったという立地の物件を購入したものの、そこが法律上建物の建て替えが禁止されている場所であったために、古い医院の建物を継続して使わなければならなくなったという事例もあります。

以前にも医院があって、建物をそのまま使えるというのは、一見居抜きでの利用ができるために、お得な物件という気がします。しかしよく考えてみると、前の医院は何らかの理由で撤退(休廃業もしくは転地)しているわけです。その理由を精査しない限り、一概にお得だとはいえないでしょう。

たとえば、以前の医院は医師の評判が悪かったために、人が集まらずに廃業したのだとしましょう。別の看板をかけて新しい医院となったことをアピールしても、同じ場所にできた医院に対しては、どうしても以前の医院の記憶がつきまといます。普通の患者には、経営母体が変わったことなどわかりませんから、以前の医院のまま名前が変わっただけだと思われてしまうかもしれません。この場合は、ネガティブな評判を払拭するところからスタートしなければならず、当初は苦戦が予想されます。

別の例では、住宅地に近く、家からも近く、見晴らしもよい好立地を見つけて開業した医師がいました。しかし、その医院の近くには、とても評判のよく地元で愛されている別のライバル医院があったのです。開業した医師は、自分の実力に自信があったために同業医院の存在をあまり気にしていませんでしたが、やはり患者を呼びよせるのは難しく、数年で別の地に引っ越さざるを得なくなりました。

このように、経営という観点が不足していたために開業に失敗してしまった例は、決して少なくはありません。他の例もいくつか挙げてみましょう。

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最終更新:11/14(木) 11:00
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