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トランプ氏と米工場を視察、アップルCEOの狙いとは

11/14(木) 12:00配信

JBpress

 ロイター通信によると、トランプ米大統領は米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)を伴って、アップル製品を製造しているテキサス州の工場を視察する予定だという。

■ トランプ氏とクック氏は良好な関係

 視察は早ければ11月の第4週にも実現する見通し。米国製造業の強化を打ち出すトランプ氏にとっては、アップルというトップ企業の事例を見せることで、実績をアピールできる。一方で、対中制裁関税のさらなる適用除外を米政権に求めているクックCEOにとっては、トランプ氏との良好な関係を示すよい機会になるという。

 これに先立つ今年9月20日、通商代表部(USTR)は、パソコンのマウスやトラックパッドなどアップルが求めていた同社製品の部品10品目の対中制裁関税免除措置を認めた(米ウォール・ストリート・ジャーナル)。

 その3日後、アップルは、パソコンの最上位機種「Mac Pro」の新モデルを引き続き米国で生産すると発表した。このときクックCEOは声明で、米国生産を後押ししたトランプ政権に感謝すると述べ、十数社の米企業が開発・製造した部品を用い、従来と同様にテキサス州オースティンの工場で生産を開始することを明らかにした。

 それ以来、両氏は良好な関係を保っているようだ。しかし、そこに至るまでにアップルはトランプ氏に翻弄されたという経緯がある。

■ トランプ氏に翻弄されたアップル

 ことの発端は、6月のウォール・ストリート・ジャーナルの報道だ。同紙は、アップルがMac Proの最新モデルを中国で製造していると報じた。2013年に発売した前モデルは米国で製造しており、アップルは米国産をアピールしていた。

 また、同社が米通商代表部に対し、Mac Proに使う中国製部品の関税免除を申請していることが明らかになったとも伝えられた。電源ユニットやステンレス製筐体、プリント基板、マウス、トラックパッドなどの15種は他の国からの調達が不可能で、中国が国家戦略として掲げる「中国製造(メイド・イン・チャイナ)2025」に関連する機器でもないと、アップルは説明していた。

 しかし大統領は7月にツイッターへの投稿でこれを一蹴した。「アップルは関税の免除や緩和は受けられない」とツイートし、「米国で作れば関税はかからない」とも書き込んだ。このツイートを受けてクック氏は後日、関税の免除申請は米国生産を念頭に置いて行ったものだと説明した。

 両氏の関係が良好になったのは8月の会談がきっかけだったようだ。このときクック氏は大統領に「アップルの競合である韓国サムスン電子が自社製品の多くを韓国で製造し、米国の対中関税の対象にならないという状況で、アップルは打撃を受ける」と説明。大統領は後日記者団に対し「クックCEOの意見はとても説得力があった。考慮していく」と述べた。

■ Apple WatchやiPhone部品の関税免除を要請

 米政府は9月1日、ほぼすべての中国製品に制裁関税を広げる「対中関税第4弾」を条件付きで発動した。条件とは、スマートフォンやノートパソコン、一部の衣類・靴、玩具といった約550の特定品目への発動を12月15日まで延期するというもの。

 一方で、このとき対象となった約3200品目には、アップルのスマートウオッチ「Apple Watch」やAIスピーカー「HomePod」、デスクトップパソコン「iMac」、イヤホン「AirPods」などが含まれている。

 ロイターによるとアップルは11月に入って、Apple WatchやiPhoneの各種部品、その他の消費者向け製品の関税免除を求めたという。

 (参考・関連記事)「トランプ大統領、アップルの関税免除要求に「ノー」」

 (参考・関連記事)「トランプ氏はアップルの状況をどう“考慮”するのか」

小久保 重信

最終更新:11/14(木) 12:00
JBpress

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