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ブラック上司の部下にありがちな「表情認識」2つの異常

2019/11/14(木) 15:31配信

HARBOR BUSINESS Online

怒りに何も感じなくなってしまうロボット化

 この段階では怒りに恐怖を感じているのですが、さらに重症化すると怒りに何も感じなくなり、ロボット化するのではないかと懸念します。

 怒り表情を見れば、普通なら恐怖感を抱きます。
 しかし、首をかしげ、「何でしょうかね」「上司がこうした顔をしていても、特に何も感じませんね」という方がいます。常にイライラしている上司にビクビクしていたら精神が持ちません。そこで、上司の眉間のしわには自動的に上司の指示に従うという行動、つまり、上司の指示や命令に一旦立ち止まり、自分で考えたり、自分の想いを持ったりしない行動がその方にとっての適応行動になってしまった可能性が考えられます。

 こうした「異常」ですが、目下、科学的に検証されているものではなく、ここ数年間の観察を通じて私が直観的に感じてきたことです*。仕事で自社以外の職場の日常を垣間見る機会があるとき、怒りを現すことがふさわしくない場面で、部下に対してイライラをぶつける上司に出くわします。そんな部下の方々に、眉間のしわの話をしても的を得ず、怒り表情画像に対しても無頓着なことに気付いたのです。

 いかがでしょうか。みなさんは本日の二つの表情画像にどんな感覚を抱かれたでしょうか。

「何も感じない」という方は、自分の本当の感じ方を回復する手当が必要かも知れません。

 上司という立場にある方は、部下の感情や認知の捉え方に不可逆的な影響を日々与え続けている可能性があることを知り、目に見える部下の職務管理だけでなく、目に見えずらい部下の感情をも管理しているという自覚を持ち、日々の言動に意識的になって頂きたいと思います。

<*性格・行動傾向と表情の誤認識との関係はこれまで様々に研究されています。例えば、非行少年は脅威度が低い表情を高いと誤認識します。笑われ恐怖症の人は幸福表情に悪意を読みとります。社交不安障害の人は脅威刺激から目を逸らすことで表情誤認をしている可能性が指摘されます。新しい環境に溶け込めない人は怒りと嫌悪表情に鈍感であることなどがわかっています>

※記事内の表情画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

◆清水建二の微表情学第91回

<文・画像提供/清水建二(しみずけんじ)>

【清水建二】
株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役・防衛省講師。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(「科捜研の女 シーズン16・19」)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『ビジネスに効く 表情のつくり方』(イースト・プレス)、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。

ハーバー・ビジネス・オンライン

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最終更新:2019/11/14(木) 20:16
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