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ラグビーW杯大成功 パブリックビューイングが熱狂生む

11/14(木) 6:00配信

日経クロストレンド

※日経トレンディ 2019年12月号の記事を再構成

 日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2019年ヒット商品ベスト30」4位に「ラグビーW杯2019日本大会」が選ばれた。視聴率は最高41.6%。全国の試合会場とパブリックビューイングに延べ200万人以上が殺到し、日本のベスト8進出を後押しした。

【関連画像】1万円以上ながら、日本代表のレプリカジャージーがほぼ完売

●「にわか」でもビール片手に大興奮 歴史的快進撃が生んだ“赤白旋風”

 血湧き肉躍る戦いとはこのことだった。下馬評を覆す全勝で史上初の予選プール突破。ラグビーワールドカップ2019日本大会で、列島が赤白ジャージーの快進撃に沸いた。

 試合を重ねるほど注目度が高まっていったのは、テレビ視聴率で一目瞭然。初戦のロシア戦は18.3%だったが、予選プール突破を決めたスコットランド戦は39.2%。決勝トーナメントの南アフリカ戦では、それを上回る41.6%を記録した(いずれもビデオリサーチ調べ)。

 約182万枚のチケットは完売状態。そこで人々が殺到したのが、パブリックビューイング(PV)だった。全国16カ所の「ファンゾーン」には、予選プールだけで約86万人が来場。クラブのような大音量で盛り上がれる「爆音ラグビー」(ハイネケン主催)など、企業主催のユニークなPVも超満員になった。パブなど飲食店もこぞって試合を放映。視聴率や観客動員数で表れる数字以上に、多くの人がライブで見たといえる。

 なぜ、これほどPV文化が花開いたのか。東京・丸の内での「8Kスーパーハイビジョンパブリックビューイング」を担当したNHK編成局の清藤寧氏は、「これまではクローズドな暗い空間でしかできなかったPVが、LEDディスプレイの普及やプロジェクターの高輝度化により、明るい屋外やオープンスペースでも開催可能になったことが大きい」と分析する。

 確かに、東京の繁華街では「街を歩けばPVに当たる」ような状況だった。帰り道や移動中に人だかりを偶然見つけて、ふらっと立ち寄る。そこで魅力を感じ、次の日本戦もPVで見たいと思う。開幕時には興味が無かったにわかファンも巻き込む、好循環が生まれていったのだ。

 日本代表のジャージーを着て、ビール片手に観戦。クラシックな応援スタイルの浸透を示すように、関連消費にも火が付いた。カンタベリーオブニュージーランドジャパンの日本代表レプリカジャージーは、1万円以上するにもかかわらず、用意した20万枚がほぼ完売。問い合わせ件数は開幕後日増しに増えた。スタジアムでも販売するハイネケンは9月、前年比340%と飛ぶように売れた。

 21年に予定されるラグビーの国内プロリーグ創設に向け、最高のステップにもなった。また、ラグビーを始めたい子供も急増。地域のラグビースクールのなかには、100人以上が体験に来たスクールもあるという。「五郎丸ポーズ」のようなブームは生まれずとも、ラグビー新時代の息吹を感じた1カ月となった。

最終更新:11/14(木) 15:28
日経クロストレンド

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