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石井一久GMの平石監督解任・新監督擁立は理解できる行動です/デーブ大久保コラム

2019/11/15(金) 11:00配信

週刊ベースボールONLINE

 オフに入り、各チームとも組閣が終わり、秋季キャンプに入っています。ただ、このコラムを書いている時点でソフトバンクの一軍打撃コーチの座が一席空席になったままです。そこに噂(うわさ)されているのが今季楽天の監督だった平石洋介です。(※その後、9日にソフトバンクの打撃兼野手総合コーチ就任が発表)

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 この噂が出てから2週間くらいたちますが、一向に決まらない。かなり熟慮しているのだと思いますが、ここにも彼らしい「覚悟」が見えます。素晴らしいことだと思います。多分、楽天を辞めて、すぐに他球団に行っていいものか……道義に反するのではないか、楽天の選手たちに申し訳ない、という思いがあるのだろうと、私は予測します。

 しかし、ソフトバンクはそういう部分も含め、平石の能力も覚悟もすべて調査済みだからこそのオファーだと思います。なかなか今のご時世でオファーをもらえることはないですし、光栄なことです。デーブ的には、十分に考えている姿勢が見えるので、受けてもいいのではないか、と思いますし、違うチームのスタイルを経験することは、彼のその後の野球人生に大きな財産になるはずです。そこもどうか考えてほしいです。もう十分過ぎるほど、悩んだと思いますからね。

 一方で、平石を解任した石井(石井一久)楽天GMですが、やはり自分の考えたチームを作るためにまい進するのだな、と感じました。三木谷(三木谷浩史)オーナーからチーム編成面をすべて任されたのですから、自分の思い描いた道を進むのは当然のことだと私は思っています。

 以前に「セロトニントランスポーター遺伝子」の話をさせてもらいました。これは遺伝子配列により人の行動パターンが出来上がるというものです。この配列の中で、直感力で前に進んで失敗を恐れない型と言われているLL型は日本人は3%くらい。この型に当てはまるのが、楽天の三木谷オーナーだという話をしました。そして、ここまでの流れを見ていると石井GMもまったく同じ型の人間です。失敗を恐れないのです。だからこそ、最下位からリーグ3位に入る采配を見せた平石監督でさえ、石井GMの描いた像と違うのであれば、解任の方向へ向かっていくのです。

 この遺伝子では、日本人は圧倒的にSS型が多く、約65%の方がこれに当てはまると言われています。この型は、悲観的で人の動きを見て、自分の行動を決めていくタイプ。つまり周りの常識に自分を当てはめていく人たちです。日本社会はまさにこれですよね。

 そういう人が多いからこそ、石井GMは、今回の件で批判を受けた。温厚な東北のファンを敵にしてしまいました。しかし、LL型の石井GMは何も感じていないと思います。実は私もLL型人間なので、GMの考え方は、悪くないと思っている一人です。さて、これがどう出るのか、来季がすごく楽しみです。

『週刊ベースボール』2019年11月25日号(11月13日発売)より

PROFILE
大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。

週刊ベースボール

最終更新:2019/11/15(金) 11:51
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