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根本健がつぶやいたバイク人生の本質とは?「オレ、まだ上手くなっているんだよなぁ~」

11/15(金) 18:03配信

エイ出版社

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スポーツバイク雑誌『ライダースクラブ』が創刊40周年を迎えた。創刊当初の1978年といえば、バイクブーム前夜。日本メーカーが世界のレースシーンで凌ぎを削り、若者の間でバイク熱がグングン加速していった。そんな時代に生まれた『ライダースクラブ』は、それまでのバイク雑誌とは一線を画し、大人が一生楽しめる趣味としてのスポーツバイクライフを提案。そのために必要なのが、ライテクであり、カスタムであり、バイク選びであるとしてきた。

40年の歴史を語るうえで欠かせない人物が元世界GPライダーの根本健。バイク乗りからは“ネモケン”の愛称で親しまれるライテクの伝道師だ。69歳となった現在でもバイク人生を謳歌し、サーキットイベントでは一般ライダーをバイクの後ろに載せてライテクを指南する。そんな、ネモケンの凄さが垣間見えるエピソードを『ライダースクラブ』編集長の小川勤に教えてもらった。

「まだまだ上手くなってる。だからオートバイに乗っていて、とても楽しい」

40年前の1978年に、小社発行の月刊オートバイ誌のライダースクラブを創刊したネモケンこと根本健は、20年来の僕のボスである。仕事の、そしてオートバイの師匠であり、20年間さまざまなことを教わってきた。

「全日本チャンピオンを勝ち獲り、世界のトップレースに参戦した経歴を持つライダーなのだから、オートバイに乗るのが上手くて速いのは当たり前」。もしかすると多くの人がそう思うかもしれないが、ネモケンが多くの読者やライダーから愛され、支持されているのは、ただ速いからというだけではない。速さや上手さを積み重ねてきたプロセスに、魅力としっかりした年輪があるからなのだ。

「オレ、まだ上手くなってるんだよなぁ~」。ネモケンが60歳位の時に、突然つぶやいたのを僕は忘れない。『マジで?』と心の中で思いつつ「本当ですか?」と聞き返したのを覚えている。

「本当だよ。まだまだ上手くなってる。だからオートバイに乗っていて、とても楽しい」。その頃のネモケンはアメリカのデイトナで行われるクラシックオートバイのレースに参戦を続けていて、確かに順位もタイムも上がっていた。その答えを聞いた時、『僕も絶対に60歳までオートバイに乗ろう』『60歳まで上手くなり続けよう』と思った。

そして実は、ほんの数カ月前、「満足のいくコーナリングができるようになってきたの、実は最近なんだよね~」と、69歳のネモケンがボソっとまたつぶいた……。再び『マジで?』と思いつつ、「本当ですか?」と尋ねてみた。そしてそのとき、僕も70歳まで上手くなり続けよう、満足のいくコーナリングをしてみたい、と思うと同時に“オートバイ趣味は一生モノだ”と確信した。オートバイを趣味にして良かったと思ったのだ。

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最終更新:11/15(金) 18:03
エイ出版社

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