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Googleの検索エンジンに「過去5年で最大の飛躍」。新たな言語処理モデル「BERT」の秘密

11/15(金) 8:12配信

WIRED.jp

「Google 検索」が大きな進化を遂げようとしている。このほどグーグルが「BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)」と呼ばれる機械学習の手法によって、Google 検索におけるランキングシステムの性能を強化したことを明らかにしたのだ。

政治的対立を生むGoogle検索、そのアルゴリズムが抱える根深い問題

「セサミストリート」のキャラクター「バート」にちなんだ名をもつBERTは、グーグルの人工知能(AI)ラボで開発され、18年秋に発表された言語処理モデルである。AIソフトウェア向けの読解力テストでは、記録更新を達成している。

文章検索の結果がより正確に

10月24日に開かれた説明会に登壇したグーグルの検索担当副社長パンドゥ・ナヤックは、BERTが長い検索フレーズを使う場面や、検索ワード同士の関係が非常に重要な意味をもつ場面におけるGoogle 検索のアルゴリズムを大きく改善したと説明している。

「これは過去5年間で最大の飛躍です」と、ナヤックは言う(少なくともランキングの変化でユーザーの探しものが見つかりやすくなると考えるグーグルにとってはそうだ)。グーグルは詳細を語らなかったが、これまでテスト段階にあったアップグレードは現在広く実装されているという。

グーグルはBERTのパワーについて、「Parking on hill with no curb(縁石のない丘に駐車)」という検索ワードを例にとって説明した。現行の検索アルゴリズムでこの検索ワードを入れると、「縁石のある丘」を検索しているかのような結果が出る。しかし、BERTを使用したヴァージョンでは、道路の脇に車輪を向けるように運転手にアドヴァイスするページがハイライトされるという。

「2019 brazil traveler to usa need a visa(2019年 米国へのブラジル旅行者 ヴィザは必要)」という検索フレーズも例に出た。人間にとっては、米国に向かうブラジル人に必要なものを検索していることが明白だが、BERT以前のGoogle 検索では、重要な「to(へ)」を取り違え、「ブラジルに旅行する米国人」についての記事を結果のトップに表示していた。しかしBERTにより、検索エンジンは北に向かうブラジル人に必要なものに関するページを正しく表示できた。

Google検索は1日に何10億回と利用されているが、グーグルいわくBERTによるアップグレードはその1割ほどに影響を与えるという。しかし、ほとんどのユーザーはおそらく気づかないだろうとナヤックは話す。

とはいえ、この変更はユーザーやグーグルにとって重要なものだ。別の検索エンジンを試したことがあれば、Google 検索がユーザーの期待に合った答えを返すことが、どれほど重大な意味をもちうるのかわかるだろう。

米国外のユーザーたちは、もっとも大きな変化を経験することとなる。BERTのアップグレードにより、特に英語以外の言語において、いわゆる「強調スニペット」用の識別機能が大幅に向上したとナヤックは言う。

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最終更新:11/15(金) 8:12
WIRED.jp

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