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僕がDJやりたい!と思った理由──52歳、DJをはじめる Vol.1

2019/11/15(金) 21:03配信

GQ JAPAN

なにやってるのかわからなかった……

山手線の線路脇に建つビル9階にあるDJバー「WREP」に着く。入口でチャージを払って入るシステムだ。ライブハウスとディスコなら分かるのだが、 “クラブ”という場所ははほぼ初体験である。なんだかキンチョーする。店に入ると、カウンターで飲み物をキャッシュで注文。一段下がったところにさほど広くないフロアがあり、その奥がDJスペースだ。

22時、シオリー師匠が登場。まだ客は少なく、見わたしたところ10数人ほど。クラブではこの時間はまだ“宵の口”のようだ。比較的テンポのゆったりしたヒップホップが流れ始める。ボリュームもさほど大音量ではなく、ちょっと声を張れば会話ができるぐらい。ただし音の迫力はすごい。スピーカーがいいのだろう、クリアな重低音が空気を震わし、ズンズンと身体に響いてくる。

「ザ・ベストテン」世代の僕は、どうしても“歌メロ重視”だ。だからヒップホップとかラップとか、リズム単調だしメロディーもないし、正直なところ何がよいのか? イマイチ理解できなかった。だがクラブという空間に響くビートを聴き続けていると、音楽の中に“たゆたう”ような感じというか、サウンドに身を任せてトリップしていくような感覚が、次第に気持ちよくなってくる。音楽は聴いたり、歌ったりするだけでなく、ただ “感じる”という楽しみもあるのだと、シオリー師匠が紡ぎ出す音を聴きながら、そんなことを考えていた。

さて、肝心の「DJってどんなことやってるの?」だが、DJブースにかぶりつき目を皿のようにして師匠のプレイを見ていたのだが(たぶん周りお客さんからはヘンなオヤジがいる……と思われたに違いない)、残念ながら何をどうしているのか、ぜんぜんわからなかった。

聴きながらiPhoneにメモっていたのは、「ヘッドフォンを片耳だけで聴いているのはなぜ?」、「ときどき機材の小さなツマミを激しく回しているけど、あれは何をやっているの?」、「 機材の左右にあるレコードのターンテーブル的な形状のモノは、なんの役割?」 などということ。

曲がかかっているときにシオリー師匠が休んでいることはほとんどなくて、常に何かしらの操作、アクションをしている。で、その仕草がカッコいいんだな、また。

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最終更新:2019/11/15(金) 21:03
GQ JAPAN

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