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新興国に埋もれた人的資本の解放

11/15(金) 7:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

ポイント

世界の全ての新興国が、埋もれたまま殆ど活用されていない資源、即ち、人的資源を有しています。新興国債券に資金を投じる投資家は、このことに留意しておくべきだと考えます。

※Mary-Therese Barton/新興国債券チーム・ヘッド

人的資本の力の解放は、新興国経済の潜在能力を開拓するための鍵だと考えます。

ピクテの分析は、人的資源の改善が一国の生産性と成長性を押し上げ、信用格付けの改善をもたらすことを示唆しています。このことは、新興国債券の投資家にとって重要な意味合いを含んでいます。

国連の「人間開発指数(HDI)」は、2001年から2017年にかけて、指数を構成する大半の新興国に状況の改善が見られたことを示していますが、上位50%の構成国の信用格付けが平均2.1ノッチ(2.1段階)引き上げられたのに対し、下位50%の構成国は僅か0.24ノッチの引き上げに留まっています。

にもかかわらず、投資家は新興国の先行きの評価に際して、測定と分析が難しいという理由で、人的資本を無視しがちでした。しかし、このような状況には変化が現れつつあります。世界銀行の「人的資本プロジェクト」ならびに国連の「人間開発指数(HDI)」や「持続可能な開発目標(SDG)」は、いずれも、新しい測定手法を開発・提供することで、人的資本に対する注目を集めています。

ピクテの新興国債券チームもこのような指標を投資対象国の分析の一部として用いており、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関連する分析では特に重視しています。

新興国の見通しの鍵とは?

新興国を十分に理解することは、現状、特に重要です。新興国の先行きに対する懸念の一部を払拭することにつながるからです。保護主義の高まり、遅々として進まない構造改革、「コモディティのスーパーサイクル」(2000年代を通じて高騰した国際商品の高騰局面)の終焉等は、従来型の製造業や輸出主導の経済発展を妨げるものと考えられていますが、経済成長の重要な源泉が財から情報の流れに移りつつある世界では、埋もれた人的資本が新興国に大きな可能性を提供しているのです。

このことは、新興国の人材投資が極めて重要であることの理由であり、ピクテの新興国債券チームが各国の政策立案者とのミーティングの場で、「人的資本」を、必ず、議題に載せることとしている理由です。チームは、知見の新たな源泉を探すことで、従来型の新興国投資の精査の手法を一歩先へ進めています。

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最終更新:11/15(金) 7:00
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