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「働く妻」が「専業主婦」より幸福度低い…日本社会の「特殊な状況」

11/15(金) 7:01配信

現代ビジネス

「働く妻」と「専業主婦」の幸福度

 「働く妻」と「専業主婦」、どちらの方が幸せなのか。

 日本のデータを用い、この疑問に答えると、要点は以下の3点となる(詳細は前回のこちらの記事を参照)。

日本の家庭料理はハイスペックすぎる。世界の食卓は意外と質素

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(1)働く妻と専業主婦を比較した場合、専業主婦の方が働く妻よりも幸福度が高い。

(2)子どもの有無を考慮すると、幸福度の大小関係は、以下のとおりとなる。
子どもがいない主婦>子どもがいない働く妻>子どもがいる主婦>子どもがいる働く妻

(3)日本の既婚女性は、子どもの有無によって幸福度が大きく影響を受けており、子どもがいる既婚女性ほど、幸福度が相対的に低くなっている。
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以上の結果から明らかなとおり、日本では働く妻の方が専業主婦よりも幸福度が低くなっている*1
。この背景には家事・育児負担が女性に集中するといった社会環境が大きく影響を及ぼしていると考えられる。 さて、この結果を見て疑問なのは、他国でも同様に「専業主婦の方が幸せ」なのかという点だ。

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*1 これは働く妻が「全員必ず」専業主婦より幸福度が低い、という意味ではない。日本社会を広く見るとそうした「傾向」が見られるということだ。
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海外の状況は日本とこんなに違う

 日本は先進国の中でもまだまだ男女間の賃金格差が大きく、「男性(夫)=仕事、女性(妻)=家事・育児」といった性別役割分業の意識が色濃く残っている社会だ。しかし、海外に目を向けると、日本よりも仕事や家庭生活の面で男女間格差の小さい国が数多く存在する。

例えば、日本では長らく男性の大学進学率が女性の値を上回るといった状況が続いているが、OECDに加盟する多くの国では、女性の大学進学率が男性の値を上回るといった逆転現象が起きている*2*3
。学歴の面で見れば、日本のように男性の大学進学率の方が高い国は少数派になると予想されている。また、これを受け、女性の方がパートナーとなる男性よりも学歴が高い場合も増加している。このような夫婦の在り方を「学歴下方婚」という。学歴下方婚は、男女のよりのびのびとした在り方に寄与する可能性もあり、欧米を中心に興味・関心を集めている*4
。 このように、海外では日本と女性を取り巻く環境が異なるため、働く女性に家事・育児負担が集中せず、のびのびと働ける社会環境が整備されている可能性がある。

 この結果、働く妻の方が専業主婦よりも幸福度が低くなっていない可能性も考えられるが、実態はどうなっているのだろうか。

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最終更新:11/15(金) 7:01
現代ビジネス

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