ここから本文です

ソフトバンク・ショックがいよいよやってくる、のか?

11/15(金) 8:01配信

現代ビジネス

すべての逆風が加速している

 6月14日の記事「まさかとは思うが『ソフトバンク・ショック』はありえるのか?」や10月6日の記事「やはり『ソフトバンク・ショック』がやってこようとしている…のか?」で述べた内容が現実のものとなり、いよいよ「ゴ―ル」に近づいているようにも思える。

【全実名】10年後消える会社、生き残る会社…

 2019年度第2四半期、中間決算説明の冒頭で、孫氏自身が「今回の決算の発表内容はボロボロの真っ赤っかの大赤字……ソフトバンクは倒産するのではとの報道がなされているが、ある意味では正しいと思う。市場はそのように見ている」と述べている。

 10月6日の記事では、「ソフトバンクが儲かっているのに納税をしないのはけしからん……というよりも、本当は儲かっていないのではないか」という話をしたが、その内容が証明された形である。

 そこで、前記記事で述べたことに、新たな問題点を加え「もし」が現実のものとなった場合、どのようなことが起こるのかも含めて考えてみたい。

 「ソフトバンク問題」は、簡単に言えば、地上から天に向かって強烈な追い風が吹いているときには、大風呂敷に風を受けて天高く舞い上がることも不可能ではないということが原因で起こった。

 もちろん、多くの読者のように理性的な人々は、風呂敷1つで成層圏まで飛んでいくことなどするはずがない。いつまでも空高く舞っていることなどできるはずがないからだ。

 しかし、孫正義氏は「俺ならできる」と蛮勇を奮い起こし、多数の人々から膨大な金を集め、風呂敷1つで成層圏まで飛んで見せた。

 しかし、地上から吹き上げる風がやみ、逆に風が地上に向かって吹き始めたらどうなるかは、述べるまでもないことである。

5つの問題点

 ソフトバンクの抱える問題点というのは今でも無数にあるし、これまで追い風のおかげで見えなかった問題点も、これでもかこれでもかと、これから明らかになっていくであろう。

 その多数の問題点を無理やり5つにまとめると次のようになる。

 1. IPOバブルの収束
2. GAFAへの厳しい目
3. IT産業の成長鈍化
4. 共産主義中国の没落
5. 携帯電話料金値下げ圧力

 1. IPOバブルの収束 米国IPOの総額がこの2年で2000億ドルを超え、ITバブルが崩壊した2000年の2年前からの状況とまったく同じ状況である。WeWorKへの投資もこのバブルの過熱時期に行われたが、その他の多くの投資先についても同じことが言える。つまり売り手市場で高値つかみをした多くの案件が、逆風下で単なるお荷物になりつつあるのである。

 2. GAFAへの厳しい目 9月30日の記事「もう特別扱いはありえない GAFAの栄華は終わることになる」で述べた様に、独占禁止法(反トラスト法)をくぐり抜けて巨大化してきたGAFAに対しても厳しい目が向け始められている。いつも腰の重い日本の公正取引委員会(政府)でさえ、GAFAから意見聴取し、取引の透明性確保や個人情報保護の強化策の検討に入っているほどである。

 特に、リブラで各国政府の虎の尾を踏んだ(10月27日の記事「結局発行延期、facebook仮想通貨リブラはもともと失敗作だ」参照)フェイスブックへの風当たりはすさまじいものになるであろう。

 ソフトバンク・グループの場合も、米国の携帯電話会社のM&Aや英国のアーム社の買収など、寡占問題とは無縁ではないし、Yahooなど個人情報・履歴、さらには情報の公共性が問題になりやすいビジネスを抱えている。

 3. IT産業の成長鈍化 1990年代の前半から始まった、IT・インターネットの躍進はあまりにも目覚ましく、一般のビジネスとは全く異なった尺度が採用されてきた。確かに、IT・インターネットが爆発的な成長を遂げていた時代には、そのような「特別扱い」にも合理的側面があったといえる。

 しかし、今やIT・インターネットの成長は「巡航速度」に入りつつある。過去の特別扱いされた時代の幻影を引きずって旧態依然とした経営を続ければ生き詰まるのも当然だ。

 航空会社やホテルなどと同じように場所(席)を貸すWeWorkというビジネスから「旧態依然の高成長幻想」が崩れ去ったのも偶然ではない。利益の上で苦戦しているウーバーなどの配車アプリも、低賃金労働者を束ねる「電脳手配師」にしか過ぎないといえる。

1/3ページ

最終更新:11/15(金) 8:01
現代ビジネス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事