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ブルーライトから目を守る スマホは1時間ごとに休憩

11/16(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

目は光を取り込みモノを見るための「カメラ」であるとともに、体内時計のリズムをつかさどる「時計」の役割も持つ。気になるのは、ここ数十年の間に急速に広がり、長時間凝視し続けることも多いパソコンやスマートフォンといった情報機器が目に与える影響だ。最近では、情報機器のディスプレーから発せられるブルーライトの害について、議論も巻き起こっている。情報機器やそこから出る光は目にどのような影響を与えるのか。賢いつきあい方を探っていこう。

ディスプレーの凝視で目の表面が乾く

総務省情報通信政策研究所の「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、テレビ視聴の平均利用時間が減少傾向にある一方、インターネットの平均利用時間は平日112.4分、休日145.8分と増加し続けている。スマートフォンの利用率も87%となっている。そこで気になるのが、目の健康への影響だ。
情報機器のディスプレーを見ているときには、瞬きが大幅に減る。瞬きの回数は通常1分間に17回程度だが、パソコンを凝視しているとそれがおよそ3分の1に減少するという報告がある(下グラフ参照)。この瞬きの減少が、目の健康にダメージを及ぼすという。
「光を取り込む窓にあたるのが角膜だが、人は瞬きをすることによって涙腺から分泌された涙を目の表面に均一に行き渡らせ、薄い膜を作っている。ところが、パソコンやスマホを見ることに集中していると、無意識のうちに瞬き回数が減り、角膜表面が乾く。また、緊張し集中する作業の際には、交感神経が優位になる。交感神経が優位であると涙の分泌量自体が抑えられてしまう。涙は、角膜表面を潤すとともに、細かくついた傷をその都度修復する作用も担っているので、これらの働きが正しく機能しなくなることによって角膜にダメージが生じやすくなる」と、東邦大学医学部眼科学講座の堀裕一教授は説明する。

情報機器を使っていると、瞬きが減るだけでなく、「凝視する」、つまり目を見開いてじっと集中して見る時間が長くなる。これも悪影響をもたらすようだ。
特に、動く電車の中でディスプレーが小さいスマートフォンを使用するような場合、動く標的をとらえるために目は懸命に凝視しなければならない。

実際、スマートフォンあるいはパソコン作業を4時間行い、使用前後の自覚症状、目の疲労、涙液の膜の状態や酸化ストレスについて比較する試験を行ったところ、目の表面の活性酸素量は両群で高い値を示したが、それ以外の項目ではスマートフォン使用のほうが疲労感が増加し、涙液の質は低下、涙液膜の酸化レベルの指標となる「ヘキサノイルリジン」という物質のレベルも高くなった(下グラフ参照)。
また、このような目の酷使が重なり、酸化ストレスが強い状態が続くと、「ドライアイだけでなく、白内障や、加齢黄斑変性などの目の疾患リスクが高まることがわかっており、注意が必要」と堀教授は付け加える。

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最終更新:11/16(土) 7:47
NIKKEI STYLE

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