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阿寒湖アイヌ×デジタルアート。〈WOW〉がカムイの世界を描き出す。

11/16(土) 11:55配信

Casa BRUTUS.com

〈WOW〉が手がけるデジタルアートによって、目に見えない「カムイ=神」の世界観まで描かれた、新たな時代のアイヌ古典舞踊・阿寒ユーカラ『ロストカムイ』。デジタル、古典、両者のアートとしての可能性をさらに拓く表現だ。

2012年に北海道・阿寒湖に誕生した、阿寒湖アイヌシアター〈イコロ〉。これまで「アイヌ古式舞踊」「コタンの人々が演じる人形劇」「イオマンテの火まつり」などの伝統芸能を中心に上演してきたが、今年3月にスタートした演目「阿寒ユーカラ『ロストカムイ』」では、ヨシダナギや〈WOW〉など屈指のクリエイターたちが共演。“デジタルアート×アイヌ古典舞踊”という新たな表現が話題を呼び、動員人数は1万人を超えている。

テーマとなるのは、アイヌの間で「狩りをする神=ホロケウカムイ」として畏怖の対象となってきた、エゾオオカミ。明治期に絶滅してしまったこの特別なカムイが駆けていたかつてのアイヌの森を、舞踊、映像、サウンドによって、幻想的に立ち上げていく。

現代のアイヌにとっても、エゾオオカミはもはや直接目にしたことがない“伝説”のような存在。しかし、さまざまなユーカラ(=叙事詩)が世代を超えて口承されてきたなかで、「キラキラとしたオーラを纏ったようなイメージ」は、今なおアイヌたちの間で息づいている。今回の演目で映像やサウンドの最新技術が担うのは、そうしたイメージに、具現化されたひとつの姿を与える役。長く伝わってきたアイヌの豊かな文化に対して、新たな角度から光が当たるような舞台を整えることだ。

半円状の床、舞台奥側の3面の白壁、そして、舞台の前後を仕切るようにかけられた透過幕に投影される、5台のプロジェクターを用いた映像。また、マルチスピーカーによる、前後左右から響くように聴こえる立体的なサウンド。

ビジュアルデザインスタジオ〈WOW〉とサウンドデザイナーのKuniyuki Takahashiによるこれらの演出によって、アイヌか倭人かに関わりなく、また子どもでも、外国人でも、カムイの世界観へとアクセスできるようになる。色彩と陰影に富み、またオオカミ、シカ、クマ、鳥などの生き物たちの豊かな息遣いに溢れたアイヌの森を、五感を通して体験する機会が生まれる。

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最終更新:11/16(土) 11:55
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