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本当は建てられる!? 再建築不可物件の解説

11/16(土) 9:00配信

BEST TIMES

価格は安いけど、はたして「買い」なのかどうか…。イマイチよくわからない「再建築不可物件」について、不動産プロ集団「全宅ツイ」設計部の所属するお鯛氏が解説。なぜ某番組では劇的な変身が可能なのかもわかります。

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■小さく書かれた「再建築不可」の文字

 「家を建てたい」
 そう思って物件を探しはじめ、情報サイトなどで「おっ!  安いじゃん!」という物件を見つけた。でも、よく見ると物件概要に「再建築不可」と書いてあって「なんだ…」って思った経験はありませんか? 

 そもそも「再建築不可」とは何なのかというと、建築基準法の規定を満たせず、新たに住宅などを建てる事が出来ない敷地のことです。
 敷地が再建築不可となる主な要因は「接道義務違反」。建築基準法には「建築物の敷地は道路に2.0m以上接していなければならない」という決まりがあるため、次のような敷地は新たに建物を建築する事が出来ません。

●道路に接していない敷地
●道路に接している部分が2.0m以下の旗竿敷地
●接している道がそもそも建築基準法上の道路として扱われていない敷地

 では、やっぱり再建築不可物件では家が建てられないのでしょうか? 
 いえいえ、諦めるのは早いです。
 接道義務が定められている建築基準法43条、その例外ともいえる第2項部分を見てみましょう。

【建築基準法第43条第2項】
●1号 
その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの

●2号 
その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

 2項の1号は基準法上「道路と扱われていなかった道」(農道や通路など)については4m以上の幅員があるものに2m以上接道していると『認められた場合』のことです。
 そして2項の2号が、従来「43条のただし書き」と言われていた部分となります。
 道路で無くても、接道部分が細くても、ちゃんと避難できると建築審査会の同意を得て『許可された場合』のことです。

 大きなポイントは、1号には「認める」と、2号には「許可」と書かれているところ。

 法律の言葉はややこしいので、簡単に説明します。

 「認める」と書かれた1号の条件に当てはまる場合は基本的に全てOKになります。しかし、「許可」と書かれた2号の条件に当てはまる場合は、建築審査会という協議を通らないといけません。
 そして、この建築審査会というのがまぁ面倒。いろいろ書類を作らされた挙げ句、建物の規模や敷地と建物の空き寸法などに、一般の敷地よりも厳しい条件をつけられて、ようやく許可がもらえるという状態です。そのため許可はもらったものの、思うような建物をたてられないケースなどもあります。

 少し専門的になってしまいましたが、「再建築不可物件では家が建てられないのか?」に対する回答としましては…「接しているのが『道路ではない道』であっても、その幅が4mあれば建てられる可能性が高く、それ以外でも可能性はある」ということになります。
 

■そもそも「建築」とは何なのか? 

 「そうは言っても、道に接してないところは流石に無理でしょう?」と諦めるのもまだ早いです。
 建築しなければ良いんです! 
 「何言ってるの?  『建築』したいから困ってるんですけど…?」という意見はごもっとも。

 「建築」という定義についても建築基準法に定められています。
 建築基準法2条13項には「建築とは建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう」とあります。
 ということは…新築、増築、改築、移転でなければ「建築する」事にはならないのです。

 【建築基準法第6条】には以下のように「建築確認」という手続きが定められています。

●建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に(省略)確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。

 さすがに法文だとややこしいので簡単に説明します。
 木造2階建ての住宅以外の建物は、建築と大規模な修繕、大規模な模様替えを行う場合に「建築確認」が必要ですが、木造2階建ての住宅の場合は、この「建築確認」をすることなく行えるという事なのです。

 大規模な修繕、模様替えとは、主要構造部の1種類以上を過半(50%以上)について、既存の建築物とおおむね同じ構造や規模で異なる材料や仕様に取り替えること。

 つまり、現況建っている建物と同程度の建物であれば、木造2階建ての住宅においては建築確認を経ることなく行えるのです。
 「なんという事でしょう」で有名な某番組に登場する物件も、このやり方でほぼ新築みたいな建物を作っているのですね。

 いかがでしたでしょうか? 
 再建築不可物件が持つ、微かな可能性に賭けてみたくなりましたか? 

 ただし、建築基準法はとても複雑ですので、その道筋は簡単ではありません。また、結果として時間もお金も通常物件よりもかかることもありますので、まずは建築士に相談をしてみて下さい。

◆お鯛/設計部所属
主に住宅の仕事をしている1級建築士。 あまり主張が強い建物は好きじゃないです。ずっと前からそこにあったような街に溶け込む家をつくって行きたいです。

文/全宅ツイ

最終更新:11/16(土) 9:00
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