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理に適った日本対策にドロー狙いの時間稼ぎ…U-20W杯出場への第一関門で立ちはだかったのは元日本代表監督だった

11/16(土) 13:10配信

SOCCER DIGEST Web

気候もピッチ状態も問題なし。日本に死角なしと思われたが…

 2021年のU-20ワールドカップ・インドネシア大会を目指す若き日本代表にとって最初の関門となる予選だった。

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 予選各組首位の11か国と2位のうち成績上位の5か国が2020年にウズベキスタンで開かれるU-19アジア選手権に出場。そこでベスト4に入れば世界大会出場が決まるのだ。最終ベトナム戦を前に日本は勝点6で、得失点差も+19としていたが、もしベトナムに敗れて勝点6に終われば世界に通じる道があっけなく閉ざされてしまう可能性もある。そんな重圧がかかる試合だった。


 今年になって立ち上げられたばかりで完成度がまだそれほど高くないU-18日本代表にとって、躍進著しいベトナムとのアウェーでの一発勝負はけっして簡単な試合ではない。

 ただ、日本は初戦でグアムに10対0、第2戦ではモンゴルに9対0とともに圧勝。一方のベトナムはモンゴル戦、グアム戦ともに3点差の勝利に終わり、日本が得失点差で圧倒的に優位に立っていたし、内容的にも日本優位は間違いなかった。さらに、コンディション的にもベトナム戦当日は27度とそれまでより気温が低くなり、またトンニャット・スタジアムのピッチの状態もそれほど悪くはなく、日本チームにとって“死角”はないかと思われた。

 だが、そこに立ちはだかったのが元日本代表監督で、現在はU-18ベトナム代表の監督を務めるフィリップ・トルシエだった。

 中3日で3試合を戦うため、日本チームは第2戦からGKを含めてメンバーを8人も入れていた。モンゴル戦と同じ先発はボランチの柴田壮介と右SHの石浦大雅、SBの中村拓海の3人だけだ。

 大勝したグアム戦とモンゴル戦。日本の攻撃では右サイドが活発だった。グアム戦ではSHが武田英寿でSBが三原秀真。そして、モンゴル戦ではそれぞれ石浦と中村だった。そして、影山雅永監督はベトナム戦でもモンゴル戦と同じコンビネーションを選択したのだ。

 運動量豊富な石浦が右サイドで起点を作り、中村がオーバーラップを繰り返す。ベトナム相手にもここから突破口を作って、トップの櫻川ソロモンや染野唯月に合わせたい……。攻撃の組み立て役の松岡大起が大会直前にチーム事情のために離脱してしまった日本にとしてはサイド攻撃に活路を見出したかった。

 だが、サイド攻撃を活かそうという日本の意図はベトナム・サイドも十分に分かっていたはずだ。そして、トルシエ監督はしっかりした対策を用意していた。

 トルシエ監督のU-18ベトナム代表はもちろん「フラットスリー」である。3人のCBが中央のスペースを閉じ、その両側も両ウイングバックが下がってスペースを埋める。そして、ボールを持つ日本選手に対してベトナムの選手が予想以上に激しく間合いを詰めてチャレンジしてきた。

「日本の両サイドアタッカーにはスペースも時間も与えない」というのが彼らの守備のコンセプトだった。

 さらに、ベトナムはスピードを生かしてカウンターも狙ってきた。特に左WBのファン・トゥアン・タイが何度もドリブル突破で日本のサイドを脅かす。得点機にまでは結びつかなかったが、このベトナムの左サイドからの攻撃に対処するために、日本の右サイドの石浦、中村という攻撃的な選手が守備に追われる時間が長くなり、攻撃力が削がれてしまったのだ。

 まさに、理に適った「日本対策」だった。

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最終更新:11/16(土) 15:22
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