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表向き「強面」…でも全面貿易戦争だけは避けたい「米中の裏事情」

11/16(土) 8:01配信

現代ビジネス

ナヴァロ噛みつく

 11月7日、中国商務部が「米中両国が、発動済みの制裁関税を段階的に撤廃する方針で一致した」と発表したのに対して、ピーター・ナヴァロ大統領補佐官がさっそく「現時点で何も決まっていない」(ロイター、2019年11月8日)と噛みついたと聞いて、1年前を思い出した。

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 去年の11月9日、ナヴァロは「ゴールドマンサックスやウォール・ストリートは米中交渉に手を出すな」と吠えた(ウォール・ストリート・ジャーナル、2019年11月9日 )。

 背景を説明すると、当時、トランプ大統領が「2019年1月1日から中国からの輸入品全てに25%関税を課す」と表明していたのに対して、米国経済界は「米中が全面貿易戦争になれば、米国経済は大打撃を受ける」と強く懸念、事態を回避する方策を探っていた。

 11月6日、ニュースメディア、ブルームバーグがシンガポールで「新経済フォーラム」を開催したが、ここでフォーラム主催者のマイケル・ブルームバーグ氏が仲介して、ハンク・ポールソン元財務長官と中国の王岐山副主席が密談したらしい(サウスチャイナ・モーニングポスト、2018年10月31日)。

 おそらく、それが1つの伏線になって、11月末のG20ブエノスアイレス会合での米中首脳会談と「90日の貿易休戦」合意が成ったのだと思われるが、ナヴァロはその密談を聞きつけて噛みついたのだろう。

 冒頭に述べた中国商務部の先週の発表は、まだ決まってもいない中身を中国が一方的に公表した点で異例だったが、直後にクドロー米国家経済会議委員長が交渉の進展を確認し、米中両国が「第1段階の合意に至れば、関税の合意・譲許もあるだろう」と語った(ブルームバーグ、2019年11月7日)ことからみて、根も葉もない作り話ではないのだろう。それでもナヴァロは噛みついた。

 米中貿易戦争で歩み寄りを画策する者が現れると噛みつくのを、己の役分と心得ているようだ。

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最終更新:11/16(土) 8:01
現代ビジネス

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