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AirPods Proも油断できない完成度! Amazonノイキャン完全ワイヤレス「Echo Buds」レビュー

11/16(土) 6:30配信

PHILE WEB

アップルが「AirPods Pro」を発売したことで、にわかに話題となっている、ノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン。実は少し前に、Amazonが同種の製品「Echo Buds」をアメリカで発売していたことはご存じだろうか。

【画像】AirPods Proと比べた写真

最近試したノイキャン完全ワイヤレスイヤホンの中では、総合的な完成度はAirPods Proが最も高いと感じていた。だが今回Echo Budsを使ってみたら、その仕上がりの良さに驚いた。

Echo Budsのアメリカでの販売価格は129.99ドル、対するAirPods Proは249.00ドルだ。半分近い価格でここまでの実力を備えているとなると、Echo Budsを選択する方もかなり多いだろうと感じた。その特徴、どんなところが優れているのか、またもう少し頑張って欲しい点も含め、AirPods Proとの比較も交えて紹介していこう。

■デザインは良い意味で「普通」。悪目立ちしない

デザインは、いわゆる普通の完全ワイヤレスイヤホン、という印象。うどん型ではなく、耳のなかに収めるタイプだ。小型モデルが増えてきた現在の基準で言うとコンパクトとは言えないが、これだけの機能をこのサイズに収める技術力は大したものだ。

装着感はというと、これも一般的な完全ワイヤレスイヤホンと同等と考えてもらえばよいだろう。少なくとも私の耳にはぴったりフィットした。装着しづらい、脱落しやすい、着けていてストレスを感じるといった不満はない。

また本機には、3サイズのイヤーチップのほか、本体に装着するウイングチップも3サイズが同梱される。着けてみるとさらにフィット感が高まり、スポーツ時などにも安心して使えそうだ。ちなみに本機はIPX4の防沫性能も備えている。

充電ケースは、AirPods Proのそれに比べると一回り、二回り大きいが、それでも「大きくて使いづらい」と感じることは少ないはず。軽量なプラスチックが使われており、軽さにもこだわっているようだが、それほど安っぽさがない、巧みな仕上げだ。表面に指紋が付きづらいのも好印象。なお、ケース自体の充電はUSB microB端子で行う。

■Echo Budsを設定するには?

設定していこう。マニュアルを見ると、スマホでAmazon Alexaアプリを起ち上げ、本体のケースを開くと、画面上にEcho Budsが検出されると書かれている。だがこの自動検出は、今回のテストではうまくいかなかった。まだ日本で発売されていないからかもしれない。

充電ケースの裏にある強制ペアリングボタンを押すと、アプリ上にEcho Budsが見つかった旨が表示され、言われたとおり手順を進めると、無事接続が完了。以降はほかのEchoやFireTVなどと同じく、Alexaデバイスの一つとしてアプリから管理できる。

■意外なほどよく効くノイズキャンセル機能

Amazon Echo Budsのノイズキャンセリングは、かなり効果が高い。正直言って、最初はここまで効くとは思っていなかった。というのは、ボーズの技術を使った「ノイズ “リダクション”」を搭載している、と製品説明に書かれていたからだ。

当サイトでもすでに伝えているとおり、ボーズは自社ブランドのノイキャン対応完全ワイヤレスイヤホン「Noise Cancelling Earbuds 700」を、2020年中に発売すると表明している。そちらのモデル名が「ノイズキャンセリング」で、ニュースリリースにも「ノイズキャンセリング機能」とはっきり書かれていた。

一方でEcho Budsに使われている単語は「ノイズリダクション」という単語。リダクションは「削減する、低減する」と言う意味なので、「キャンセル」ほどの性能ではなく、少しノイズを抑える程度なのかな、と考えていたのだ。

ところが実際に機能をONにしてみると、良い意味で驚くほどの効果を発揮した。これはもう、一般的にはノイズ “キャンセリング” と言うべき効果だ。だから本稿でもそう表記している。さすがにAirPods ProやソニーWF-1000XM3ほどの効果ではないが、このくらいノイズが消えれば十分、という方は多いだろう。しっかりとした効き方だ。

■外音取り込み機能は便利だがAirPods Proほどではない

さて、本機は外音取り込み機能「アンビエントサウンドモード」も搭載している。この外音取り込み量はアプリから5段階で調整でき、取り込み量を増やすと、周りの音がはっきり聞こえる。

ただし、AirPods Proのような、まるでイヤホンを着けていないかのような自然な感覚が得られるかというと、そこまでではない。ソニーWF-1000XM3ほどではないが、自分の声がくぐもって聞こえる。このため、コンビニのレジでの応対など一時的なものならともかく、装着しながら長い会話をするのは難しい。

また、これもAirPods Proとは異なり、何か食べたり飲んだり、咳払いすると、頭の中で音が不快に響く。ただし、これがカナル型イヤホンでは当たり前なのであって、それがほとんど起きないAirPods Proが優秀すぎるだけ、と考えるべきだろう。

もうひとつ私の個人的なこだわりポイントとして、ノイキャンONで歩いたとき、着地の衝撃が不快に響くかどうか、というものがあるのだが、Echo Budsは衝撃音がそれほど大きく響かないのが好印象。とはいえこれも、ほとんど着地音が気にならないAirPods Proと比べてしまうと、やや気になる。

なお、これらのノイズキャンセルや外音取り込み機能の切り替えは、左右イヤホンのタッチセンサー部に割り当てられる。このボタンアサインの自由さはAirPods Proより上で、様々な機能を自分好みにアサインできる。後ほど述べるイコライザーも含め、アプリで行える設定項目の多さ、機能の豊富さはEcho Budsに軍配が上がる。

■音声アシスタントの機能と使い勝手

Echo BudsはAmazon製品だけあって、音声アシスタントへの対応は手厚い。Alexaの呼び出しは、何も押さずに声で直接行える。かなり小さい声で呼びかけてもAlexaを呼び出せた。声を出しづらい状況では、イヤホンのタッチセンサーをタップする操作でも呼び出せる。

またアプリで機能をアサインすれば、イヤホンのタッチセンサー部タップで、iOSの場合はSiri、Androidの場合はGoogleアシスタントを呼び出すように設定することも可能。Alexaとあわせて、2つの音声アシスタントを使い分けることができるのだ。

一方のAirPods Proは、ステム部を押し込むことでSiriを呼び出せるし、声で「ヘイ、Siri」と呼びかけてアシスタントを呼ぶことも可能だ。ただし、イヤホンから直接Alexaを呼び出すことはできない。

また現状では、AlexaとSiriの、どちらが賢いかは明白。Alexaの方がはるかに出来が良く、痒いところにまで手が届く。また対応しているスピーカーやディスプレイ、テレビなどのAV機器、そしてホームオートメーション対応機器も、現状では圧倒的にAlexa対応製品の方が多い状況だ。

こういった状況を鑑みても、音声アシスタント機能については、Amazon Echo Budsが圧勝している。

■音切れしにくいのはどちら?

完全ワイヤレスイヤホンの重要なポイントの一つに「音の途切れにくさ」がある。それを確かめようと、Echo Budsを着けて1日中移動してみた。これには秋葉原から西武池袋線の自宅最寄り駅への往復、約2時間程度も含まれる。

結論から言うと、音切れは一度も起きなかった。特にターミナル駅の池袋や、通勤・帰宅ラッシュの満員電車の中でも音切れが発生しなかったのは、非常に良い結果だ。

最近はAirPods Proを毎日使っているが、少なくとも1日1回、多いときは数回切れることがある(余談だが、AirPods Proの接続安定性は、少なくともいまのファームウェアでは、従来のAirPodsより明らかに低下している)。

1日使っただけなので、たまたま音切れが起きなかっただけという可能性もあるが、少なくとも今回の結果を見る限り、Echo Budsの接続安定性はAirPods Proより良い可能性がある。

■音質を比較。好対照な音づくりが印象的

さて、音質比較だ。いつもどおりiPhone 11 Pro Maxを送り出しにして、音楽ストリーミングサービスにはAmazon Music HDを使った。試聴楽曲は小沢健二『So kakkoii 宇宙』から「彗星」、Official髭男dism「Pretender」、あいみょん「マリーゴールド」、アンダーソン・パーク feat. ケンドリック・ラマー「Tints」、OAU「帰り道」などを使った。

AirPods Proの音質は何度も書いているので多くは繰り返さないが、フラットバランスで、ダイナミックさはない。ただし良い意味で中庸な音づくりで、長時間音楽を聴いても疲れにくいという美点がある。イージーリスニングにはピッタリだ。

Echo Budsは、Knowles製のBAドライバーを2基搭載しているのが機構上の特徴だ。デフォルト状態で聴くと、AirPods Proと好対照。あえて「ドンシャリ」という言葉を使いたくなるサウンドで、ドラムのズンズン、ドンドン響く感じ、音の重みはAirPods Proにはないものだ。さらにいうと、少し高域が強めな傾向もある。

だがEcho Budsは、アプリのイコライザーで、BASS/MID/TREBLEを12段階で調整できるため、AirPods Proとは違い、音質に調整できることも付け加えておきたい。デフォルトでは高い声の刺さりと高域の当たりが少し気になったので、低域はそのままにしながら、中域と高域を若干抑えめにしたら、好みのサウンドに少し近づいた。

Echo Budsは低域がよく出るので、低音が楽しい楽曲を聴くなら、こちらの方が向いていそうだ。

■アップルのみならず、ほかのメーカーにとっても脅威となるか

AirPods Proと比べると一長一短あるが、これだけの高機能を高い完成度でまとめ上げた製品が、129.99ドルで売られているというのはすごいことだ。しかも、これまでのAmazonデバイスの価格戦略を考えると、セール時にはさらに安くなるだろう。アップルのみならず、ほかのメーカーも戦々恐々としているのではないだろうか。

TELECの技適証明やPSEマークをすでに取得していることから考えても、日本での販売開始は近いものと予想できる。日本でも普通に買えるようになる日が待ち遠しい。

編集部:風間雄介

最終更新:11/16(土) 6:30
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