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東大、東北大、早大…5年制「高等専門学校」はなぜ難関大学の編入に強いのか

11/16(土) 7:00配信

デイリー新潮

 2020年度から始まる「大学入学共通テスト」での英語民間試験の活用が延期になった。先行き不透明な大学入試。もし、高校選びがこれからなら、いっそ5年制の高等専門学校(以下、高専)経由で大学を目指してみてはどうだろう。大学に入る際は編入扱いになるので、共通テストの受験は不要。それでいて、東大などの難関大にも行ける。

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 東大、東北大、九州大・・・。国立茨城高専(偏差値64、高校入試ドットネット、以下同)の2019年卒業生のうち、大学に編入した学生の進路の一部だ。

 茨城高専卒業生の編入実績だけが突出して輝かしいわけではない。国立群馬高専(同64)の同年卒業生も東大、東京工業大、東北大、早大などに編入した。

 高校受験に通じている人ならご存じのとおり、茨城高専と群馬高専の偏差値64は、地域トップの進学高の偏差値より、10前後低い。地域2番手の進学高の偏差値と同等か、それ以下だ。にもかかわらず、東大などの難関大に入れるのだから、高専はお得な進学先と言っていい。地域2番手の進学高からの東大合格は至難の業なのだから。

 とはいえ、高専がお得な存在であることが十分知られているとは言い難い。全国に57校しかないからだろう。約4900校もある高校とは比べものにならないほど少ない。「高専ロボコン(全国高等専門学校ロボットコンテスト)」の存在くらいしか知らない人が大半ではないか。

 57校の高専の内訳は、国立が51校、公立が3校、私立は3校で、大半が国公立だ。学生数は計約5万5000人。国公立の高専の偏差値は、概ね地域2番手の進学高と同じだ。

 そもそも高専とは何かというと、大学の学部卒程度の教育を5年間でやってしまうことを目的とする高等教育機関。大阪府立高専のホームページにも「5年間で大学の工学部と同程度の専門知識や技術を身につけることができる」とある。高度成長期の1962年に生まれた。

 なぜ、5年間で大卒並みのレベルに達することが可能かというと、受験のために高校で学んだことを、大学の一般教養課程でもう一度やるような時間のムダがないから。また、授業の密度も濃い。

 高専生は15歳の1年生から扱いは「学生」で、一般教育と並行して専門教育も受ける。教える側も「教師」ではなく、「教授」。卒業すると、「準学士」の称号が得られる。

 高専生は多くが電機、電子、建築、化学など工業系の学科で学ぶ。そもそも高専は、工業技術の高度化に対応する技術者の育成のために誕生したからだ。このため、編入先の大学の学部も理系がほとんどである。

 1967年には商船学科も生まれた。現在では文系の学科もある。例えば国立福島高専のビジネスコミュニケーション学科だ。グローバルなコミュニケーション能力を有する、ビジネス・スペシャリストの養成を目的としているという。

 福島高専ビジネスコミュニケーション学科の過去5年間の就職先は外務省、国税庁、NTTコミュニケーションズなどだが、こちらも大学への編入にも強い。同じく過去5年間に、北大、東北大、名古屋大、横浜国大、早大、上智大などに卒業生を送り込んだ。学部は経済学部など文系だ。

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最終更新:11/16(土) 7:00
デイリー新潮

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