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アップルのワイヤレスイヤフォン「AirPods Pro」は、ジョブズ時代を思わせる驚きに満ちている

2019/11/17(日) 12:12配信

WIRED.jp

満足ゆく音質と完璧なノイズキャンセリング

従来のAirPodsは、やや物理の法則に抗いすぎているきらいがあった。イヤーチップがしっかりしたものでなかったので、音量を思い切り上げない限りいい低音を得るのは難しかったのだ。そのせいで、これまでのAirPodsの音はこもりがちで、低音域は強調され高音域は弱いので、耳障りがよくないうえバランスも悪かった。

これはイヤーチップの影響が大きいのだが、AirPods Proの音質ははるかに満足できるものになっている。

ビートルズの「Oh Darling」では強くパンするギターの音が見事な解像度でかき鳴らされつつも、左側で鳴っているポール・マッカートニーの陽気なベースラインやピアノのきらめくような和音をかき消してしまうことがない。リンゴのドラムもパンチが効いていてキレがあり、両サイドの音にかぶることなくステレオの中心で反響している。この曲はそのよさを最大限に引き出すのが難しく、これまでのAirPodsでは中音域がごちゃごちゃでこもってしまっていた。

ノイズリダクション機能も完璧だ。個人的に移動時のお気に入りであるソニーのワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM3」と間違いなく同等で、現状ではワイヤレスのアクティヴノイズキャンセリングイヤフォンとして唯一のライヴァルと言える。AirPods Proも同じように不気味なほどの静寂を与えてくれるのだ。

これはオフィスや通勤中、スーパーなどで使うにはうってつけだ。一方で長時間のフライトに関しては、個人的にはまだオーヴァーイヤー型のもっと大きなノイズキャンセリングヘッドフォンを使っていくのではないかと思う。

外部音取り込みモードも搭載されている。軸部分を長押ししてオンにすれば周囲の音が聞きやすくなるので、道路を渡ったり周囲に気を配ったりしなければならないときには特に有効だ。

数少ない弱点はバッテリー

AirPods Proにもやはり欠点はある。ノイズキャンセリング起動時の充電1回あたりの駆動時間はわずか4.5時間で、ノイズキャンセリングを使わなくても駆動時間は30分しか延びない。これは従来のモデルと比較してもさらに短い。

それだけバッテリーがもてば十分だという人や、そもそも4.5時間以上も音楽を聴くことはないから気にしないという人もいるかもしれない。しかし、長寿命バッテリーの真価は数年後に発揮される。バッテリーが優れていればいるほど、製品の寿命は長くなるのだ。

スマートフォンと同じように、完全ワイヤレスイヤフォンに内蔵されているリチウムイオン電池は時間とともに劣化し、充電時の保持力がゆっくりと減っていく。これまでのAirPodsから考えると、AirPods Proは数年くらい定期的に使い続けた場合、1回の充電につき2時間ほどしか駆動しなくなってしまうだろう。その変化ははっきり分かるはずだ。

また、Androidユーザーにもお薦めできない。AndroidではSiriの素晴らしい音声アシスタント機能は使えないし、バッテリーの残量も表示してくれない。これは大きな違いだが、アップルにとってはおそらくどうでもいいことだろう。これまでのAirPodsと同じく、AirPods ProもほぼiPhoneやiPadオーナー専用と言える。

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最終更新:2019/11/17(日) 12:12
WIRED.jp

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