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日本で五番目に多い名字の「伊藤」…なぜ三重県に多いのか?

11/17(日) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

約30万種もあるといわれる名字。貴族の末裔、武家の子孫、地名や職業由来……その起源を辿れば、自分のルーツを知ることができます。本連載では、家系図作成代行センター株式会社代表の渡辺宗貴氏が、様々な名字の起源や分布を解説していきます。今回取り上げるのは、日本で五番目に多い「伊藤」。

「藤原さん」が改名して「伊藤さん」になった

「伊藤」と聞いて思い浮かべるのは、伊藤博文(初代内閣総理)、伊藤みどり(フィギュアスケート選手)、伊藤蘭(女優)、 伊藤英明 (俳優)、 伊藤健太郎 (俳優)、 伊藤淳史 (俳優)……。人それぞれ、思い出す著名人はいろいろでしょう。

伊藤という苗字は第38代天智天皇の重臣、藤原鎌足(614~69)の流れをくむ武家藤原氏・藤原秀郷の子孫が名乗った名字です。

藤原秀郷は坂東(関東)で反乱を起こした平将門を討伐した勇将で、朝廷から鎮守府将軍(東北の朝敵を討伐する将軍)に任じられました。

その子孫である佐藤左衛門尉(さえもんのじょう)公清の孫・尾藤隼人(はやと)正(のしょう)知基の子基景が伊勢国(三重県)に住み着いて「伊勢国の藤原」という意味で伊藤と初めて名乗りました。これが伊藤という名字の始まりです。

現在でも発祥地の三重県には多く、岐阜県や愛知県にも密集が見られます。

なかでも尾張国(愛知県)の伊藤財閥は有名で、慶長16年(1611)に伊藤祐道が名古屋城下に太物商を開業し、2代目祐基以降は代々次郎左衛門と名乗って呉服商を営みました。

後に尾張藩の御用達となり、明治維新後は本家の松坂屋のほか伊藤銀行を創設して金融・不動産の世界でも成功しました。

他に伊豆国田方郡伊東(静岡県伊東市)の藤原南家伊東氏の子孫が、伊藤に改めたケースも多いがいずれにせよ藤原氏を祖とする。

では、伊藤姓の分布を見てみましょう。

全国にまんべんなく広がっていますが、やはり発祥地の三重県に圧倒的に多く第一位の苗字となっています。地理的に近い岐阜県で2位、愛知県で3位です。

伊藤姓の家紋で多いのが、藤原氏の代表家紋である藤紋を多用します。木瓜(もっこう)を使うことも多いです。

藤原南家発祥の伊東から伊藤に改めた家は多少傾向が違い、庵(いおり)に木瓜・九曜・三つ橘などを使っています。

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最終更新:11/17(日) 12:00
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