「ミリタリー」というワードに反応してしまうのは、男の“さが”と言ってもいいかもしれません。それはアウターに関しても同様、生理的な反応を示す男性も多いようです。それはアウターの中でも、「ミリタリー」を出自とするアイテムに対して。そこには他にはない魅力を感じてしまいます。しかし、何がそれほどまでに男を引きつけるのか?「ミリタリー」に造詣の深い寺本欣児さんに尋ねてみました。
「アナトミカ」「ロッキーマウンテンフェザーベッド」「ビッグヤンク」といった武骨なブランドの数々を手掛ける、「35SUMMERS」代表の寺本欣児さん。
ミリタリーやアウトドア、ワーク系のヴィンテージを徹底的に解析し、ディテールを忠実に再現するとともに、現代の着こなしにフィットするように落とし込む実力は世界から高く評価されています。
中でも「アナトミカ」は、男らしさとエレガンスを両立させたウエアで大人の男性からの支持も厚く、ミリタリーを由来とするアウターも多く存在します。それには、寺本さん自身が生粋のヴィンテージミリタリーコレクターであることも大きく影響しています。
「30年ほど前から、古着屋でミリタリーもののヴィンテージを買い集めていました。当時は人気のモデルではなく、詳細が不明なアイテムは値段も安かったですし、デザインが面白かったので夢中になって集めていました。その中には、めったに市場に出てこないうえ、現代のファッションに落とし込めるような優れたアイテムもあったのです。そこから厳選したものを、主に『アナトミカ』において復刻させています」
「アナトミカ」と言えば、世界のファッションシーンに大きな影響を与えてきたピエール・フルニエさん(チェロの貴公子ではなく、カリスマバイヤーと知られるピエールさんのほうです)がパリにオープンさせた名店です。2008年からオリジナルのレーベルを立ち上げ、ピエールさんがディレクター、寺本さんがデザイナーというカタチでものづくりを続けています。
「『アナトミカ』では、エレガンスが感じられるアイテムしかつくりません。ミリタリー由来のものでも、できるだけフォーマルに近いアイテムをデザインベースにしています。エレガンス+機能性、その軸はずっとブレていません」とのこと。
最終更新:11/18(月) 21:20
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