ここから本文です

関電の原発マネー「不正環流」を大阪地検に告発へ

11/18(月) 12:30配信

週刊金曜日

 関西電力の役員幹部ら20人が、高浜原発が位置する福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から巨額の金品を受け取っていた問題で10月24日、弁護士や市民団体のメンバーが告発人募集説明会・キックオフ集会を大阪市北区で開き、「関電の原発マネー不正還流を告発する会」を結成。11月25日まで一般市民から告発人を募り、年内にも20人を特別背任容疑や収賄容疑で大阪地検に告発することを決めた。

 同会は「八木誠前会長ら20人が森山氏や同町の吉田開発から受けていた金品は、関電が発注した原発関連工事の金の還流。工事費を不当に吊り上げて契約し関電に損害を与えた」。さらに「金品の見返りに吉田開発に便宜を図るように、森山氏から不正な請託を受けた」とし、「その原資は電気料金を払っている関西の市民」とする。

 被告発者は八木誠会長、岩根茂樹社長ら実名12人(表参照=肩書は2018年9月11日現在)と氏名不詳の8人。岩根社長は10月2日の会見で「実名発表は執行役員以上」とした(他に「金品受渡し」なしとされた幹部が6人)。罪名は特別背任罪(会社法960条)もしくは贈収賄罪(会社法967条)。関西電力は民間会社なので公務員の贈収賄にはならず、会社法上の罪名になる。告発事実は以下の通り(公表された告発文案より一部修正)。

〈被告発人らは別表の通りの金品を高浜町の森山栄治元助役から受け取った。森山氏は関電の原発関連工事を請け負う吉田開発(同町)から受けた金を原資にしていたことが金沢国税局の税務調査で明らかになっている。被告発人、大塚茂樹氏は森山氏を介さず、直接吉田開発から金品を受け、豊松秀己、鈴木聡両氏は別の業者からも受けた。

 吉田開発は2014年9月1日から2017年末までの間、関電から直接22件の工事を請け負い、10件は入札をしない「特命発注」で優先された。22件中16件は事前に森山氏に工事物量や、概算額の情報が行なわれた。被告発人らが、森山氏からの金品授受の際に、吉田開発に便宜を図るよう不正な請託を受けていた疑いがある〉

【関電の第三者委には期待できず】

 代理人は「脱原発弁護団全国連絡会」共同代表の河合弘之氏、海渡雄一氏や井戸謙一氏、薦田伸夫氏ら各弁護士ほか。代理人が大阪地検に告発し、告発人が出廷するわけではない。

 河合氏は集会で「関電が設けた第三者委員会は委員の弁護士を関電が選び、その報酬は関電から出されるため期待できない。国税局にも限界がある。真相解明は国税局、吉田開発、関電の資料を強制押収して調査できる検察庁以外にない。第三者委員会の調査で終わらせてはならない」と訴えた。

 関電の岩根茂樹社長が会見で「発注手続きには問題はない」と強調していたことについて河合氏は「彼らにとって一番やばいところだからです。公開された内部調査書でも吉田開発の部分はすべて黒塗り。国民を馬鹿にしていますがここがキモ。最近は工事の契約額は規模に応じて客観的に正確に算出でき、いかに不当に高い金額だったかはわかる」とした。

 さらに「今回問題になったのは国税が調査した7年ほどだけだが、NHKが『クローズアップ現代+』で報じたように過去何十年もこうしたことが行なわれた。原発は立地地元に汚いお金をじゃぶじゃぶつぎ込まなくては成立しないということも国民はもっと知ってほしい」などと話した。

「原発設置反対小浜市民の会」の中嶌哲演事務局長は「関西電力の内部告発文が私の元に来たが、少し様子見して結果的によかった。傲慢な関電が私たちとの対話に応じたことなどなかったが、トップが辞任に追い込まれたのは素晴らしい。15基もの原発がある若狭湾では老朽化原発の再稼働が目論まれている。福島以降の原発反対のうねりも最近は無関心に変わっていた。反原発運動も終活の年齢ですが、みなさんの力を結集させたい」などと話した。

1/2ページ

最終更新:11/18(月) 12:32
週刊金曜日

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事