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中国、高級品市場で高まる存在感 「富裕層1億人」に商機

11/18(月) 18:00配信

Forbes JAPAN

今では信じられないが、中国の電子商取引(EC)大手、アリババ集団が2009年の11月11日に初めて催した「独身の日」セールでは、アリババの取引額はたった700万ドル(現在の為替レートで約7億6000万円)ほどにすぎなかった。

それが10年後、空前の384億ドル(約4兆1800億円)まで膨れ上がるとは、誰も予想していなかっただろう。取引額は10年で実に5471倍になった計算だ。

しかし、それが先週11日に起きたことだった。アリババが運営する「天猫(Tmall)」や「淘宝(Taobao)」といったECサイトには、この日、割引価格の日用品や高級品を求めて中国の数億人の買い物客が殺到した。セール開始から最初の1時間だけで、120億ドル分の商品が購入されたという。

24時間の取引額もすさまじい。384億ドルというのは、中東の産油国バーレーン1国の国内総生産(GDP)に匹敵し、鉱物資源が豊富なアフリカ南部ボツワナのほぼ2倍だ。

アリババのライバル「京東(JD.com)」の取引額も合わせると、今年の独身の日の取引総額は600億ドル余りに達する。これは中米コスタリカのGDPとほぼ同じだ。

こうした数字については、いろいろな見方ができるだろう。筆者の場合、それは何よりも、中国の消費はなお健在であり、中国経済の減速を伝える報道はひどく誇張されていると、改めて気づかせてくれるものだった。

高級品市場を盛り上げる「若い富裕層」

独身の日の取引額が右肩上がりに伸びてきたことは、世界2位の経済大国である中国で、家計の可処分所得が増えてきたことも示している。これは、ハンドバッグやサングラスから、スーツ、腕時計、宝飾品、化粧品まで、各種高級品のメーカーや販売業者にとって朗報に違いない。

それは、世界の投資家にとっても同じだ。

中国の可処分所得の伸びについては、米中貿易戦争といった最近の懸念材料にもかかわらず、勢いがあり、持続可能でもあることを示す十分な証拠がある。

一つには、今の中国は、富裕層の数で米国を上回っているということが挙げられる。これは先月、スイスの金融大手クレディ・スイスが公表した、世界の富裕層の動向に関する19年版の報告書で明らかになった事実だ。

それによると、保有資産額で世界の上位10%に入る中国人は1億人と、米国の9900万人を抜いて初めて世界最多になった。中国には、資産額が100万ドルを超えるミリオネアも440万人いる。

世界上位の富豪にはもちろん、アリババの創業者で前会長の馬雲(ジャック・マー)も含まれる。中国の調査機関、胡潤研究院が発表した19年の中国富豪ランキングでは、馬は純資産額390億ドルで前年に続き1位だった。中国では上位1800人の富豪の平均資産額が14億ドルと、こちらも途方もない額になっている。

胡潤のこの長者番付を眺めて、筆者が強い印象を受けたのは、一代で財を成した若い富豪の多さだ。今年は40歳未満の人が156人ランキング入りしていて、前年の24人から大幅に増えている。

その一人が、新興ECサイトの拼多多(ピンドゥオドゥオ)を共同で創業した黄峥(コリン・ホアン、39)。資産額は前年の57億ドルから190億ドルに急増し、1980年代生まれのたたき上げの起業家として、初めてトップ10入りを果たしている。ちなみに、フォーブスの推計では黄の資産額は約210億ドルとなっている。

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最終更新:11/18(月) 18:00
Forbes JAPAN

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