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生き方や人生観は感動した映画が教えてくれる…現実よりも胸に刺さる!

11/18(月) 15:51配信

週刊SPA!

―[魂が燃えるメモ/佐々木]―

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第135回

『ゲットスマート』というハリウッド映画がある。『それゆけスマート』という人気テレビドラマを映画化したスパイコメディだ。監督は『裸の銃を持つ男33 1/3』のピーター・シーガル。それだけでどんな内容なのか想像がつく人もいるだろう。

 秘密諜報組織「コントロール」の分析官だった主人公スマートが現場エージェントになり、美人エージェントとともに、国際犯罪組織「カオス」の陰謀を阻止するというストーリーだが、コメディ作品はストーリーを説明してもあまり意味がない。「はめられた手錠を壊そうと放った小型ボウガンの矢が壁に当たって跳ね返り、自分の顔に刺さる」といった随所に散りばめられたギャグが醍醐味だからだ。

 ただ、コメディ作品のお約束として、ホロリとするような人情味のあるやりとりも用意されている。たとえばビルの屋上で殺し屋に追い詰められスマートが手にしていた銃を床に置き、次のように語りかけるシーンがある。

「君の好物はチキンティッカ。『アメリカントップ40』のファンだ。ほかにも知ってる。愛する妻に捨てられそうなんだろ。望みはある。妻を愛してる? なら表現しろ。ランチは家で食え。殺しの現場に連れていけ。そばにいろ。悪いのは義理の姉さんだ。奥さんから引き離せ」

 相棒の美人エージェントは自分に銃を渡すように囁くが、スマートは「邪魔するな。彼も苦しんでいる」と拒否する。すると殺し屋は投げつけようとした木箱を放り捨てて、「妻の姉はクソ野郎だ」とスマートにすがりついて咽び泣き始める。

 このシーンに私はとても心を揺さぶられた。スマートは「敵も同じ人間。悪者だが、心底悪人なわけじゃない」と考えている。何度もこの映画を見ているうちに、「お互いの立場を超えた関係が本当の絆なのだ」と私は考えるようになった。そして、それが数年後に人生相談を仕事にする際の基本方針になった。

 自分とは感情だ。勇気は勇敢な自分を生み、恐怖は臆病な自分を生む。強い感情を体験すると、その時の状況が原風景となって価値観を決定し、その価値観に基づいた発言や行動をするようになる。私たちは理屈の前にまず感情によって選択しているのだ。

 強い感情を生む原風景は現実の出来事とは限らない。映画のようなフィクションが原風景になることもある。物語のキャラクターは時として、現実以上に心に迫ってくる。正しいか間違っているかではなく、心はそういう作りをしている。大切なのは、自分が何に心を揺さぶられたのかを自覚していることだ。

 感情そのものを思い出すのは難しい。たとえばいきなり誰かに「怒れ」と言われても怒れないし、「喜べ」と言われても喜べないだろう。これは「やる気を出せ」「情熱を持て」と言われても、なかなかそうなれないという悩みに通じる。しかし感情だけでなく、その感情になった時の状況を思い出せば、自然とその時の感情まで蘇ってくる。これが心をコントロールするコツだ。

 自分が心を揺さぶられた物語は、自分の核心がどこにあるのかを教えてくれる。とはいえ一度も見ただけでは、その核心を言葉にすることは難しいだろう。ぜひ自分が心を揺さぶられた映画を何度も見返してみてほしい。キャラクターの人格的な言動を通して、自分の価値観を発見できた時、それが自信を持って行動や発言をする拠り所になってくれるだろう。

―[魂が燃えるメモ/佐々木]―

【佐々木】
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

日刊SPA!

最終更新:11/18(月) 15:51
週刊SPA!

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