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「気軽な睡眠薬の服用」のはずが“薬物中毒”へ…医師が警告する危険性

11/19(火) 11:55配信

PHP Online 衆知

<<薬物にまつわる逮捕のニュースが相次いでいる。しかし依存や中毒の危険性をはらむ薬物は禁止されたものだけではない。

日本が睡眠薬の消費量が世界一であることをご存知だろうか? 眠れないことは誰にも起こりうることなのにすぐ処方され、眠りが浅くなる高齢者への処方はごく一般的で、成人だけでなく、発達障害者の子供に対しても処方されるようになった。

この睡眠薬が濫用されている現状に、医師の内海聡氏は警鐘をならす。副作用が少ないとされているが、実際には依存性があり、飲み始めると止めることが難しい。「ゲートウェイ・ドラッグ」と言われ、睡眠薬をきっかけに、うつ病に発展していくとも語る。

本稿では、内海氏の著書『睡眠薬中毒』にて、睡眠薬の多量摂取が危険な結果をもたらた例を紹介し、その危険性を指摘した一節を抜粋して紹介する。>>

※本稿は内海聡著『睡眠薬中毒』(PHP新書)より一部抜粋・編集したものです。

きっかけは軽い不眠から、気がつけばオーバードーズへ

睡眠薬は不幸への入り口である

「たかが睡眠薬が?」と思うだろうか。

「たかが……」と思う人のために、まず、2人の女性のケースを紹介したい。

当時、23歳だったAさんが医療機関にかかるようになったのは、軽い不眠がきっかけだった。最初に行ったのは近くの病院の内科。そこで「うつ、不眠症」と診断され、抗うつ薬と睡眠薬が処方された。

最初はそれで眠れるようになった。しかし、すぐに効かなくなった。

「薬が効かなくなったのか、また眠れなくなりました」

内科医にそう伝えると、近くのメンタルクリニックを紹介された。すぐに訪ねると、チェックシートの記入と簡単なカウンセリング、短時間の診察が行われ、また「うつ、不眠症」と診断された。

違ったのは、処方された薬が増えたことだ。

薬が増えたことでいったんは再び眠れるようになったものの、すぐに慣れて眠れなくなり、次に相談に行くと、また薬を増やされた。薬が増えれば眠れるようになるが、長くは続かず、また不眠に陥り、薬が増える──。

その繰り返しで、気づいたときには10種類以上の薬を飲んでいた。

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最終更新:11/19(火) 12:02
PHP Online 衆知

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