ここから本文です

「すぐ元が取れますよ」コンサルの誘いを断れなかった医師は…

11/19(火) 13:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

患者が医療機関を選ぶ時代になり、医師も「経営努力」が必須となってきました。そこで本記事では、協奏会計・税理士事務所の田浦俊栄氏と小泉暁之氏が、「コンサル頼み」で失敗した医師の事例を紹介し、理想のクリニックを開業するために必要な知識を解説します。

そそのかされて「ウォーターベッド」を買ったC先生

《事例》

内科医のC先生は、はじめは独力で開業しようと考え銀行へ行きましたが、融資の申し込みを断られてしまいました。渋々開業コンサルを付けて申し込んだところ、コンサルの口利きで無事融資が下りました。しかしC先生には住宅ローンがあった上に、ガーデニング好きの奥さんの希望で郊外で駅からも遠い家だったため、少額の融資しか下りませんでした。

そんな中、恩を感じている開業コンサルに勧められて断れず、ウォーターベッドを導入することにしました。一時内科医の間で患者サービスとして評判でしたし、「すぐ元が取れますよ」という甘い言葉も信じてしまいました。

しかし、ベッドの運用には保守・管理料も人件費もかかり、利用する患者さんはほとんどおらず、この費用が経営を大きく圧迫しました。C先生は少額の融資ではやりくりできず、まずはスタッフを一人解雇することにしたのです。

なぜ開業から短期間で資金ショートするのか

開業した先生方の多くが、開業後に急速に減っていく通帳の残高を見て不安に感じます。担当税理士に「単月黒字に転換しました。おめでとうございます」と言われた後も、まだ通帳の残高は減り続けるため、まったく実感が湧かないと思います。

その理由は、単月黒字というのは、あくまで会計上の損益がプラスに転じただけであり、損益に関係ない生活費や借入金の返済を上回るほどの収入が出ているわけではないからです。

詳しい説明は割愛しますが、会計上のプラスと現金収支のプラスは別物で、現金が増え始める目安は会計上のプラスが月あたり100万円以上になってからだと覚えておいて下さい。現金を増やすことはそれほどハードルが高いのですが、資金をショートさせることは簡単なのです。

例えば150万円と200万円の支出の差はそれほど大きくありませんが、資金ショートまでの期間は半減します。「これくらい増えても大丈夫だろう」という、小さな契約の積み重ねであっと言う間に支出が増え、加速度的に資金がなくなるので注意が必要です。

■まとめ

●会計上の単月黒字では安心できない。

●資金ショートするまでの期間をシミュレーションしてみる。

1/5ページ

最終更新:11/19(火) 13:00
幻冬舎ゴールドオンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事